
林拉致問題担当大臣に署名簿を手交する永島会長(中央)
現在、政府が認定した北朝鮮による拉致被害者は17名。このなかには、加盟組合の菅公学生服(旧尾崎商事)労働組合米子支部の組合員・松本京子さんがいます。また、特定失踪者問題調査会が拉致の疑いが高いとした約470名の「特定失踪者」のなかには、東レ労働組合愛媛支部OBの故大政峰男さんの長女・由美さんが含まれています。これをふまえ、UAゼンセンは2002年から、ヤングリーブス(青年組織)を中心に拉致被害者家族支援の活動を展開。2011年からは毎年、組合員を中心に組織内・外へ署名活動を実施し、集約した署名簿を拉致問題担当大臣に提出しています。これまで政府に提出した署名筆数は累計730万7140筆にのぼります。
拉致被害者の全員救出へ向けて署名・カンパ活動を展開
UAゼンセンは、例年どおり、2024年12月~2025年2月に「2025年度北朝鮮による日本人拉致被害者家族への支援活動強化月間」を設定。全国の加盟組合と47都道府県支部で連携し、署名・カンパ活動を展開し、署名90万1601筆とカンパ金343万9169円を集約しました(カンパ金は4月11日に、北朝鮮向けの短波放送『しおかぜ』の運営など、拉致被害者救出に取り組む特定失踪者問題調査会に贈呈)。
2024年4月14日夕刻、UAゼンセンの永島智子会長は松本孟(はじめ)さん(拉致被害者・松本京子さんの兄)、大政悦子さん(特定失踪者・大政由美さんの母)をはじめ、中隈節子ヤングリーブス委員長(イオン九州ユニオン)、川合孝典・田村まみ・堂込まきこ組織内参議院議員らとともに首相官邸を訪問。林芳正内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に対し、UAゼンセンで集約した90万1601筆の署名を提出するとともに、「拉致被害者ご本人、そしてそのご家族は一日も早い再会を待ち望んでいる。政府一丸となって一刻も早く解決へ向けた行動を起こしてほしい」と訴えました。
また、松本孟さんは「北朝鮮に拉致されている妹も今年で77歳になる。一日も早く再会できるよう政府として取り組んでもらいたい」、また大政悦子さんは「地元の中学校でも若い人たちが拉致問題に取り組んでいる。問題が風化しないよう、そして一日も早い解決に向けて行動してほしい」と、それぞれ胸の内を語りました。
これに対し、林拉致問題担当大臣は「拉致問題は政府としての最重要課題である。この問題を風化させず浸透させていくことが大切である。いただいた署名一筆一筆を重く受け止め、政府として石破総理の決意をもって一丸となって取り組んでいく」と応じました。
要請後には、首相官邸内において、永島会長、中隈ヤングリーブス委員長、松本さん、大政さんが報道陣の取材に応じ、記者からの質問に答えました。


林大臣に要請を行う永島会長(写真左)。右は要請後の報道陣からの取材