加盟組合の産業・業種をベースとした産業基盤強化の取り組み
UAゼンセンに加盟する仲間の雇用を守り労働条件を改善していくためには、その産業基盤を強固なものにしていく必要があります。これには産業ルールや規制など国としての制度の整備や支援、取引慣行などの改善などが不可欠です。連合は個別の産業を超えた日本全体の視点から政策・制度の要求をまとめ実現の取り組みを進めますから、このような活動は産業別労働組合として重要な役割となっています。
産業政策の策定と産業(業種)別労使会議の取り組み
以下の産業政策を策定し、産業基盤強化に向けて加盟組合の活動の方向性を示すとともに、国、経営者団体に制度整備・支援の実現を向けた働きかけを行っています。また、経営者の業界団体との労使協議会を組織し、産業政策実現に向けた取り組みを推進しています。
- 「繊維産業政策」
- 「スポーツ産業政策」
- 「化学産業の化学物質管理政策」
- 「化学産業政策」
- 「医薬・医療機器産業政策」
- 「流通産業政策」
- 「食品・フードサービス産業政策」
- 「フードサービス産業政策」
- 「クレジット・ファイナンス産業政策」
- 「ホテル・レジャー産業政策」
- 「パチンコ産業政策」
- 「安心・信頼の社会保障を実現するための産業政策」
公正な取引(慣行)実現に向けた取り組み
公正な取引は、公正な付加価値配分の基礎となるものです。国は罰則を含めたルールを定め、「公正取引委員会」の監視を行っていますが、現実的な取引場面での力関係から実態がなかなか明らかになりません。また、どのような実態で、現場で働くものに不当な皺寄せがいっているかも、業種・業態により様々です。UAゼンセンは、アパレル産業、繊維関係中小企業、食品製造業などの取引実態や問題点を現場の組合員の視点から調査・集約し、連合の関連する産業・業種の労働組合とも協力しながら、行政や経営者団体にも働きかけ、公正な取引慣行実現に向けた取り組みを行っています。この結果、独占禁止法の強化や、百貨店など業種別取引ガイドラインの策定・改善などがなされています。
「経営対策指針」「CSR対策指針」による経営対策の強化
企業が倒産状態に陥ってからや経営として具体的な合理化提案を出さざるをえなくなってからの対応には、どうしても限界があることも否定できません。日常からの労働組合としての経営チェックや、危険の予兆を感じ取る力、危機に対応しうる労働組合としての組織運営体制、そして経営との相互信頼をベースとした労使協議会の深化による取り組みが不可欠です。「経営対策指針」を策定し、労使協議会の機能強化をベースに加盟組合が日常から取り組むべき経営対策の基本的考え方や対応策を明らかにし、加盟組合の取り組みを支援しています。
また、多くの企業不祥事が発生しそれが組合員の雇用・労働条件に大きな影響を及ぼしていること、市場における企業行動の評価がコンプライアンス以上を求められており、CSR(企業の社会的責任)の取り組みが強固な企業基盤を形成することから、「CSR対策指針」を策定しています。これはCSRについての解説・動向を紹介するとともに、UAゼンセンの求めるあるべき企業像、企業行動、労使関係を明らかにし、加盟組合の取り組みの参考となることを目的としています。
CSRの実現・強化に向けた取り組みとして、具体的なチェックリストを作成し加盟組合での点検活動を支援するほか、国際労働団体(GUF)とのグローバル協定の締結や、労働者が拠出した、ないしは労働者のために拠出された年金等の基金(ワーカーズキャピタル)について、労働組合がワーカーズキャピタルの所有者として、責任投資を推進する取り組みを行っています。
また近年、企業に対してサプライチェーン等における人権尊重を求める動きが加速しています。その手段として注目されている「人権デュー・ディリジェンス」は、欧州などを中心に法制化が進んでいます。「人権デュー・ディリジェンス」ではステークホルダーの参画が欠かせませんが、労働組合は、日々の活動を通じて労働者の声をくみ取り、その人権確保に取り組んでいる特別なステークホルダーです。そこでUAゼンセンは、「サプライチェーン等における企業の人権尊重の推進に向けたUAゼンセンの取り組みについて」を策定し、労働組合が企業の人権デュー・ディリジェンスに参画することで、労働者の人権があたり前に尊重される社会の実現に向けた取り組みを始めています。
~人権デュー・ディリジェンスとは~ 企業が、自社の事業活動に関係した権利侵害がおきないよう、ステークホルダーとの対話や協議を行い、サプライチェーン等の関係企業と協働して人権の状況を点検し、人権侵害の予防・撲滅に、継続的に取り組む仕組みです。
<参考資料(PDF)>
政策制度の改善
税、社会保障、雇用政策など、個別の労使の交渉では解決できず、勤労者の生活に影響を与える問題は、政治の場で問題解決をしなければなりません。連合はわが国の労働組合を代表して、勤労者・生活者の視点から、政府に政策制度の改善を求めています。UAゼンセンは連合の中核的な構成組織として、連合の政策制度要求の作成に関与し、加盟組合の組合員の視点からの要望の集約や意見反映を行うとともに、要求の実現に向けた行動に積極的に協力しています。
連合の政策制度要求は、2年単位でまとめられ、各年で最重点課題を絞りつつ実現のための行動に取り組んでいます。連合の政策要求等については連合のホームページに、時々の資料も含め掲載されています。
また、組織内・準組織内国会議員を中心に、UAゼンセンの政策の考え方を理解していただいている多くの国会議員と密接な協力関係にあり、国会の場で勤労者の視点から現場の問題点などに光をあて、私たちの声を伝えてもらっています。
私達が目ざす社会と政治への参加
私達が目ざす社会は、政治的には議会制民主主義を基本とし、経済的には市場経済原理が生かされ、自由と人権が保障され、公平・公正が貫かれ、働く者や生活者が優先される社会です。そのため福祉、住宅、環境など生活者重視の政策と、中央から地方への分権による活力ある地域社会の実現を目ざします。同時に、経済的豊かさだけではなく、思いやりや社会への貢献が尊重される社会を目ざします。
こうした政治・経済・行政のシステムを実現していくために、私達は、理念、政策を同じくする政党への支持、協力、提携を行うとともに、共通の考えにたつ諸団体、友諠組合や地域社会とも協力して、政治へ参加していきます。
政治活動の取り組み
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産業・雇用労働政策、社会保障制度や税制、年金、教育など労使の話し合いでは解決できない課題を、政策・制度要求として政党や議員、行政に働きかけていきます。
UAゼンセンと友好関係にある議員との交流、研修、連携を通じて産業、福祉、労働政策などの実現をはかることを目的にUAゼンセン政策懇話会活動を進めています。
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このような政策・制度要求を実現するために大衆活動としての示威行動や請願活動を進めるとともに、組織内・準組織内議員に対する積極的な支援はもとより、国民民主党への支援をつうじて、働く者が安心して暮らせる社会の実現を目ざします。