運動の基本方針 – 組織方針

UAゼンセンの組織

組織構成

 UAゼンセンは、繊維・衣料、医薬・化粧品、化学・エネルギー、窯業・建材、食品、流通、印刷、レジャー・サービス、福祉・医療産業など、国民生活関連産業の労働者が結集して組織した産業別労働組合である。

 私たちは、企業の多角化にともない、同一資本系列にある他業種の労働者を組織するなど、UAゼンセンの綱領、運動に賛同する労働者、組織に対して広く門戸を開放する。

 産業構造の変化により、第三次産業の労働者はますます増加している。中でもパートタイム労働者、派遣労働者、請負労働者などの有期雇用労働者は急増し、いまや雇用労働者の約四割を構成するに至っている。

 私たちは、「力と政策」を兼ね備えた組織を求め、有期雇用労働者をはじめ未組織労働者の組織化と産別未加盟労働組合の加盟を積極的に推進する。
 これらを通して複数の産業・業種を抱え、かつ多様な就業者層で構成する複合産業別組織の拡大を進める。

組織の任務

 私たちは、日本的組織形態である企業別労働組合の個性と自主性の尊重という特長を生かしつつ、そのもつ弱点を補完し、産業別機能を強化するための努力を続けていく。また、「組織は何のために、誰のために存在するのか」を原点に、組合員の総意にもとづいて任務を分担し、遂行する。

 加盟組合(単位組合)は、組合員個人を参加単位とした重要な組織である。加盟組合は産業構造の変化やそれにともなう業種・業態の多様化に的確な対処を進めるとともに、組合員一人ひとりの雇用や労働条件の向上に努める。さらに、健全な労使関係の確立と、組合相互間の連帯強化に努める。

 就業形態の多様化によって、企業単位では組織されにくい働き方の人も増えている。こうした働き方の人たちについても、UAゼンセンは、職種・職能・地域別や個人の直接加盟方式などによって組織化を進めていく。

 私たちは、加盟組合の運動を支援すると同時に、組合員の要求を運動に反映させるため、相互連帯の精神で統一と団結の力を最大限発揮していく。これらの運動を効果的に進めるために、UAゼンセン本部、部門、都道府県支部は次の役割を担当する。

 本部は、運動全体を統括し、企画・実践にあたる。
 部門は、運動の具体化や業種に共通する組合員の要求実現のため、その特性を生かした活動を進める。
 都道府県支部は、UAゼンセンの運動が企業の枠を超えて地域や職場に行きわたるよう、加盟組合や、生活圏である地域における組合員の活動の支援を進める。
 こうした活動を通じて組織の強化と拡大に努める。

ナショナルセンター

 私たちの永年の悲願であった労働界の統一は、戦後の幾度かの曲折を経て、民間産業の労働組合が中心となって構成された「政策推進労組会議」や「全民労協」での活動を土台とし、民間先行による統一を経て、1989年に官民一体のナショナルセンターである「日本労働組合総連合会」(連合)の結成によって実現した。

 「連合」は、「自由にして民主的な労働運動の伝統を継承し、この理念の上にたって労働者の結集をはかり、労働運動の発展を期す」ことを綱領の第一に掲げている。私たちは、「連合」の中核組織としての自覚にたって、政策・制度課題の改善、労働条件の維持・向上などに積極的に取り組み、全国的労働運動の発展をめざし、中央・地方を通じて「連合運動」の一翼を担っていく。

国際労働組織

 国際労働運動は、世界に生きるすべての人々が、労働の成果を等しく生活水準の向上という形で受けるため、人権・労働組合権の確立と擁護を通じ、国際公正労働基準を達成していくこと、さらにその広いネットワークを生かし、相互理解を増進していくという大きな役割を担っている。

 このような目的を遂行するために私たちは、連合を通じた国際労働組合総連合(ITUC)の活動や、私たちの加盟する国際産別組織(GUF)の活動に積極的に参加、協力していく。とくに、それらのアジア・太平洋地域組織の活動を強力に支援していく。

 経済のグローバル化にともなって、日本企業の海外進出や外国企業の日本での活動もますます盛んになってきている。私たちは、こうした多国籍企業がそれぞれの国々の国民生活の向上や、労働者の権利の拡大につながるよう連帯の活動を進めると共に、グローバル枠組み協定の締結を推進する。

 さらに私たち労働運動のめざす価値と目標を共有しうる非政府組織(NGO)とも、国際的社会貢献の観点から連携した活動を進める。