満額妥結が相次ぎ、格差是正などで奮闘が続く

 

会見冒頭 松浦会長挨拶
これまでの妥結状況を報告する松浦昭彦会長

 2023年3月15日、UAゼンセンは2023労働条件闘争における第一の集中回答日(Aグループのヤマ場)を迎えました。今次労働条件闘争では、著しい物価高騰を受け、組合員の生活を守り、停滞した実質賃金をふたたび浮上させるために、各加盟組合が奮闘。その結果、集中回答日の15日以前から、満額妥結が相次いでいました。これをふまえ、ヤマ場翌日の16日、UAゼンセンは報道関係者など19社33名の出席のもと、Aグループにおける妥結状況を報告する記者会見を開催しました。

 冒頭、松浦昭彦会長は挨拶のなかで、「2023労働条件闘争では、今般の物価高騰をふまえ、組合員の生活実感等も鑑み、例年と比較して相対的に高い要求水準を掲げた。多くの組合が満額を獲得したことに敬意を表したい。それとともに、これらの先行組合が生み出した賃上げの流れを、Bグループ以降の中規模・小規模の組合における交渉に引き継いでいきたい」と力強く語りました。

 続いて、古川大(まさる)書記長が、Aグループのヤマ場における妥結状況を報告しました。古川書記長は「これまでに、過去にないほど多くの組合が妥結に至った。内容に関しても、例年と比較して非常に高い額で妥結している。私達が今回の要求に込めた”物価高騰に負けない賃上げ”はこの時点において、十分に実現ができていると認識している。さらに、企業規模間や雇用形態間の格差是正も進展している」と強調しました。

 その後、製造産業、流通、総合サービスの3部門における妥結状況について、各事務局長が報告を行いました。

 

”Bグループ以降の中規模・小規模の組合に賃上げの機運を波及させる”

 

吉山事務局長 波岸事務局長 原田事務局長

 最初に、製造産業部門の吉山秀樹事務局長(写真左)は「現在までに18組合が妥結した。先行組合の交渉では、他産別と比較しても遜色のない回答を勝ち取っている。この背景には、物価高騰から組合員の生活を守ることを目ざし、業種ごとに共闘体制を構築したこと、社会的賃上げの潮流を経営側が理解したことなどが影響している。この流れを中規模・小規模の組合にも反映させるために、都道府県支部と連携し、地域における共闘体制を構築・強化していきたい。また、長年取り組んできた格差是正をより一層進展させたい」と報告しました。

 次に、波岸孝典事務局長(写真中央)が流通部門の妥結状況を共有。「例年と比較すると、異例の速さの妥結となっている。また、満額回答が相次ぎ、先行組合による力強い相場形成が行われた。コロナ禍で厳しい環境にあった業種を含め、幅広い業種で粘り強い交渉が行われた成果と認識している。短時間組合員に関しても、格差是正へ向けてしっかりと取り組みが浸透している。引き続き、地域での交渉を精いっぱいフォローしていきたい」と述べました。

 最後に、総合サービス部門の原田光康事務局長(写真右)は「昨年比較でおよそ倍にものぼる組合が妥結に至った。外食産業など、厳しい状況にある業種の組合もあるが、労使でサービス産業を取り巻く環境や現場の人手不足感などをしっかりと共有できたことがこの結果を生んでいる。続く中規模・小規模の組合に関しても、十分な連携と情報共有を行っていきたい」と語りました。

 要求・妥結状況等の詳細については添付の資料をご覧ください。

 

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