手交

林拉致問題担当大臣に署名簿を手交する松浦会長(中央)

 

 2024年4月1日、UAゼンセンの松浦昭彦会長は松本孟(はじめ)さん(拉致被害者・松本京子さんの兄)、大政悦子さん(特定失踪者・大政由美さんの母)らとともに首相官邸を訪問。林芳正内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に対し、UAゼンセンで集約した過去最多94万8594筆の署名を提出するとともに、「すべての拉致被害者が一日でも早く日本に帰国できるように、政府一丸となって拉致問題の解決により一層力を注いでほしい」と訴えました。

 

”私達の仲間にも「拉致被害者」がいます”

 

UAゼンセン関連拉致被害者

 

 現在、政府が認定した北朝鮮による拉致被害者は17名。このなかには、加盟組合の菅公学生服(旧尾崎商事)労働組合米子支部の組合員・松本京子さんがいます。また、特定失踪者問題調査会が拉致の疑いが高いとした約470名の「特定失踪者」のなかには、東レ労働組合愛媛支部OBの故大政峰男さんの長女・由美さんが含まれています。

 

 これをふまえ、UAゼンセンは2002年から、ヤングリーブス(青年組織)を中心に拉致被害者家族支援の活動に取り組んでいます。とくに、2011年からは毎年、組合員を中心に組織内・外への呼びかけを行い署名活動を展開。集約した署名簿を拉致問題担当大臣に提出し、問題解決へ向けた取り組みを強化するように要請しています。これまでにUAゼンセンが政府に届けた署名は累計で640万5539筆にのぼります。

 

”拉致問題の解決のため、「私達にいまできること」を継続”

 

報告会(中川委員長)

報告会で決意を語る中川ヤングリーブス委員会委員長

 

 2024年4月1日午前、UAゼンセンは「北朝鮮による日本人拉致被害者家族支援 活動報告会」を開催。2023年12月から2024年2月を期間とする「2024年度北朝鮮による日本人拉致被害者家族への支援活動強化月間」を中心に、全国各地の加盟組合やUAゼンセン47都道府県支部における街頭署名活動などの成果として、日本人拉致被害者全員の一刻も早い救出を求める請願署名に関し、過去最多の94万8594筆を集約したことを報告しました。

 

 報告会では、夕刻の署名提出(後述)を前に中川紀子ヤングリーブス委員会委員長が「街頭署名活動など、長引くコロナ禍で思うような活動が展開できない時期もあった。そのようななかでも、仲間達と『いまなにができるか』を一生懸命に考えて活動を続けてきた。いただいた一筆一筆の署名に込められた思いをいかし、拉致被害者全員に『おかえり』と言えるように、これからも絶対にあきらめずに活動を続けていきたい」と決意を語りました。

 

 また、本報告会では、署名とともに集まったカンパ金272万728円を特定失踪者問題調査会に贈呈。贈呈されたカンパ金は、調査会が北朝鮮に拉致されている被害者へ向けて放送している短波放送「しおかぜ」の運営費用などに充てられます。

 

”一刻も早い拉致被害者救出へ向けて政府一丸となって行動を”

 

要請(全景)

UAゼンセンの要請に応える林拉致問題担当大臣

 

 同日夕刻、UAゼンセンの松浦昭彦会長は首相官邸において林芳正内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に署名簿を手交(本記事・冒頭写真)。松浦会長は川合孝典組織内参議院議員らとともに、「全国の若手の組合役員が職場や街頭で積極的に呼びかけを行い、これだけの署名を集めることができた。拉致被害者のご家族は皆さん、一日千秋の思いで日々を過ごされている。拉致問題を決して風化させることなく、政府の『最優先課題』として、一日も早い解決へ行動を起こしてほしい」と求めました。

 

 同席した大政悦子さんは林拉致問題担当大臣に対し、「娘(=大政由美さん)を含め、すべての拉致被害者に、一日も早く平穏な日本で生活させてあげてください」と訴えました。また、松本孟さんも署名提出後の記者団からの取材に対し、「一刻も早い拉致被害者救出へ向けて、政府には諦めずに『拉致問題がいかに悲しいものであるか』を国民に伝えてほしい」と語りました。

 

 UAゼンセンの訴えに対し、林拉致問題担当大臣は「政府認定の有無によらず、すべての拉致被害者の帰国を実現するために、お預かりした多くの署名によって強い意志を国民に示していただくことは政府としても大きな後押しとなる 。今回提出していただいた署名の一筆一筆に込められた思いを受け止め、早期解決へ向けてしっかり取り組んでいく」と述べました。

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