UAゼンセンとJEC連合とJAMの3産別で構成する「ヘルスケア産業プラットフォーム(医薬・医療機器・医薬品卸・OTC・化粧品関連労働組合政策推進協同協議会)」は、2025年4月22日(火)に都内にて「2025ヘルスケア関連産業シンポジウム~我が国の社会課題を解決するイノベーション創出~」を開催し、現地135名、Web166名の合計301名が参加しました。
冒頭、ヘルスケア産業プラットフォームの篠原代表(UAゼンセン)が挨拶に立ち、「急速な技術革新の下で技術優位性を確保し、多様な価値を創出することが課題だ。一方、労組的視点ではこの業界からの人材流出などの課題にも同時に取り組まなければならない」と人材の育成や確保にかかる問題意識を述べました。
その後、国際医療福祉大学の池田教授が基調講演にご登壇され、「Value Flowerがもたらす新しい価値評価の視点」と題し、医薬品や医療機器が有する多様な価値を表すValue Flower(12の花びらのような価値要素から構成)の概念について解説されました。
具体的には医薬品や医療機器は症状や生命予後を改善するだけではなく、労働市場に復帰を助けることで個人や家族の生産性が改善させ、社会全体に経済的な利益をもたらしていることなどを紹介。これら多様な価値をいかに可視化して、日本の制度に落とし込むかが課題だと述べられました。また、これらの多様な価値について、産業界と政策の連携で価値要素を共通言語化し、リアルワールドデータを用いて価値評価に利用できる指標の定量化を提唱されました。
その後、各方面の専門家が登壇し、日本が直面する社会課題やそれらの解決に向けた問題意識や提言がなされました。労働者の立場を代表して登壇した連合の佐保総合政策推進局長からは、人材不足に苦しむ医療や介護の実態について報告がなされ、医療従事者の省力化等に繋がる医薬品や医療機器のさらなる創出についての期待が述べられました。また医療や介護、医薬品や医療機器業界などの公定価格分野において、賃上げ水準が低くとどまっていることについて問題提起がなされました。
最後にパネルディスカッションが行われ、主にイノベーション評価の在り方や国としての支援の在り方等について活発な討議が行われました。なお、同日に開催されたレセプションには、UAゼンセン組織内議員である川合孝典議員、田村まみ議員、堂込まきこ議員をはじめ各産別が連携する国会議員8名にご参加をいただくなど、多くの来賓を囲みながらの交流機会となりました。


