”地域医療を支える医療従事者の処遇改善は急務”
128,550筆の署名一枚一枚に込められた思いを届けた
現在、急速に進展する少子高齢化のもと、医療現場の人手不足は深刻な課題であり、安心・安全で安定的な医療サービスを提供するためには、医療従事者の処遇改善が必要不可欠な状況となっています。一方で、2022年に新型コロナ感染拡大に伴い医療現場のひっ迫が問題となったことを受け、看護師に対する処遇改善を目的とする補助金が支給されるものの、対象の医療機関や医療従事者は一部に留まり、医療従事者全体の処遇改善にはいまだに多くの課題が残されています。
このような状況をふまえ、UAゼンセン総合サービス部門では「2024年度診療報酬改定」を見据え、医療従事者の処遇改善を求める「診療報酬改定へ向けた署名」を呼びかけ、加盟組合を中心に128,550筆を集約しました。
現場の声・実態を厚生労働省に届け、処遇改善につなげる
医療現場の実態と組合員の声を濵地副大臣に訴えた
2023年11月14日、UAゼンセンはこれらの署名を携え、厚生労働省を訪問。対応した濵地雅一副大臣に、署名簿を手交するとともに診療報酬改定において医療従事者の処遇改善を実現することを求めました。
冒頭、UAゼンセン総合サービス部門・医療・介護・福祉部会を代表し、古川政信部会長(社会保険病院労働組合委員長)が署名簿を手交。その後の意見交換において、古川部会長は「民間病院は地域医療を支える重要なインフラである一方、公定価格でサービス料が決定され、価格転嫁できないという特性がある。このため、医療従事者の処遇改善はもとより、エネルギー価格や物価の高騰にも十分に対応できていない状況がある。このような厳しい現場の実態をふまえ、次回の診療報酬改定で医療従事者の処遇改善を実現してほしい」と力強く訴えました。また、古川部会長は「医療従事者の処遇改善では、主に看護師の処遇が重視されることが多いが、医療サービスは、受付や保険者の請求業務を担う医療事務や栄養管理を行う給食関連職など、多職種が協働することで成り立っている。これらのすべての医療従事者に処遇改善が行き渡るような対応をお願いしたい」と強調しました。
加えて、出席した田村まみ組織内参議院議員は「公定価格でサービス料が決まる業種であるので、処遇改善に当たっては他産業との処遇格差の解消はもちろんだが、厚生労働省が主体的に『求められる処遇の水準』を示し、それを社会へ向けて発信したうえで行動を起こす必要がある」と提起しました。
これらの要請を受け、濵地副大臣は「診療報酬の改定に当たっては、財務省との調整が必要となるが、厚生労働省にとって、本日共有いただいた現場の声、実態はなによりの『応援』になる。一人ひとりが手書きをされた署名の重みを受け止め、しっかりと対応を進めていきたい」旨、回答しました。
なお、本要請では、下記のとおり、現在、UAゼンセンが展開している「まみに聴かせてキャンペーン」に寄せられた組合員の「声」を届けました。本キャンペーンは2024年6月末まで継続します。キャンペーンサイトはコチラ。