2022年4月6日、参議院は第4回「国際経済・外交に関する調査会」を開催。質疑項目「海を通じて世界とともに生きる日本」のうち、今後のわが国の海洋政策のあり方に関して、北岡伸一東京大学名誉教授・元国際協力機構(=JICA)理事長、寺島紘士日本海洋政策学会顧問の両名から意見聴取を行い、参考人質疑を実施しました。

 

 川合孝典組織内参議院議員は、今後、ASEAN(=東南アジア諸国連合)諸国と関係をさらに進展させるうえで、「日本の多様性を高め、新たな活力をもたらす人材」として外国人労働者の受け入れが重要であることに言及。JICAがアジア諸国と信頼関係を築いている一方で、日本において技能実習生が1万名近く失踪・行方不明となっている現状について、北岡参考人に見解を問いました。

 

 これに対し、北岡参考人は「2019年に特定技能実習制度が始まったが、必ずしも成果が上がっていないように感じている。外国から来られた方が、わが国でさまざまな困難に直面し、その結果として犯罪などに走ることはあってはならない。JICAには、異文化・異言語の方が困難に直面した際、すぐに対応できる人材が揃っており、こういった方々にサポートを行っていきたい旨を政府にも伝え、2020年に開始をした。一般に、外国人労働者、移民が入ってきた際には、悪徳業者の介入などトラブルが発生しやすい。この問題への対抗手段としては、スマホでの情報発信などが効果的だと考えられる。こういった活動への資金援助なども必要。JICAがことし作成したシュミレーションでは、いまから400万名分近い労働力の確保が必要となることが明らかとなった。東南アジアを見ても、他国との競争もあり、アフリカ周辺まで見据え、外国人労働者に選ばれる受け入れ制度を整備することが求められている。留学生に関しても、人道支援の観点でウクライナからの受け入れが進んでいることはよろこばしいことだが、それ以前に発生した(タリバン政権が確立した)アフガニスタンなどについても受け入れが必要だと感じている」旨を述べました。

 

 これを受けて、川合議員は「3月2日の予算委員会で、在日ウクライナ大使の政府への面会要請について指摘をするとともに、人道的見地からのビザ発給の要望も質疑を行いました。その日の夜には、岸田総理から難民受け入れの表明がありました。このような情勢にあって、ウクライナだけということではなく、難民への人道支援を検討するきっかけにしたいと考えています」と質疑を締めくくりました。

参考人質疑を行う川合孝典議員(上)。下は北岡伸一参考人
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