現在、企業活動のグローバル化に伴い、海外企業との取り引きが一段と進んでいます。一方、調達先の企業で強制労働や危険な職場環境、団結権の侵害など、労働者の人権侵害が発生するリスクも存在します。そのため、自社のみならず、サプライチェーン(商品が消費者に届くまでの全過程)を含めて、強制労働や児童労働の禁止、安全な職場環境の確保、労働組合の結成など労働基本権の尊重へ向けて、労働者の人権を尊重する責任ある経営を企業に求める声が世界的に高まっています。

 

 こうした情勢をふまえ、UAゼンセンは2022年9月15日、「ビジネスと人権」セミナーをオンライン併用で開催。加盟組合労使など74名が参加しました。セミナーの冒頭、富士社会教育センターの逢見直人理事長(UAゼンセン顧問)が基調講演を行いました。逢見理事長は2013年に発生したバングラデシュでの縫製工場の倒壊などの事例を紹介し、「企業には調達先などサプライヤーで働く労働者の人権を尊重する経営が求められている」と指摘し、「企業は『人権デュー・ディリジェンス』(=サプライチェーンなどを含めた企業の事業活動において、人権侵害が起きていないかチェックするとともに、潜在的な負の影響を企業が特定し、それを防止・軽減するために手段を講じること)を実施し、なおかつ、労働組合も労使協議会で企業の方針や取り組みを確認するなど、積極的に関与すべき」と訴えました。

 

 その後、セミナーのなかでは、武田薬品労働組合による事例発表や、中野英恵国際局長(当時)による労使紛争が発生した場合のUAゼンセンの対応方針の説明などが行われました。参加者からは「体系立てて学び、理解を深めることができた」「企業および労働組合として、今後どのような取り組みを進めていくべきか非常に参考になった」などの声が寄せられました。

 

 UAゼンセンは今後、サプライチェーン等における企業の人権尊重の推進へ向けた取り組み方針を策定するとともに、加盟組合と連携し、企業の社会的責任のさらなる取り組みを進めていきます。

 

※2022年10月6日付UAゼンセン新聞掲載

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