郷野新会長

就任演説を行う郷野晶子新会長

“さまざまな課題の解決へ向けて挑戦を” ITUC第5回世界大会開催

 

 2022年11月17~22日、オーストラリア・メルボルンにおいて、世界各国のナショナルセンターで構成される国際労働組合総連合 (ITUC)の第5回世界大会が開催されました。本大会には、世界130カ国・地域から加盟組織を中心に、総勢1,182名が参加しました(本大会における女性代議員割合は50.84%)。

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 本大会4日目の21日、書記長選挙が実施され、ルカ・ヴィセンティーニ氏(欧州労連書記長、イタリア出身)が次期書記長に選出。

 さらに22日には、ルカ・ヴィセンティーニ新書記長の他、執行委員会による選出にもとづき新執行部体制を確認。そのなかで、郷野晶子UAゼンセン参与(UAゼンセン元副会長、連合参与、ILO労働側正理事)が会長に選出されました。

 郷野新会長は就任演説のなかで、労働運動家でもあったインドのマハトマ・ガンジーの「労働組合は、労働者の経済的条件の向上という機能を負うだけでなく、内部での努力をつうじて、モラルや知性を高めるよう努めなければならない」という信念を紹介。そのうえで、(1)本大会で改正されたITUC規約案とその精神に留意した執行委員会の運営(2)加盟組織による積極的な参画および地域組織による十分な情報提供にもとづく成果のモニタリング(3)最大限の合意を得られるような十分かつ効果的な議論の機会をつうじた意思決定の3点を熱く訴えました。

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 なお、郷野参与の会長就任に当たっては、髙木剛UAゼンセン元会長・連合元会長からお祝いと激励のメッセージが寄せられています(下記参照)。

■「ITUC」とは?■
 International Trade Union Confederation(国際労働組合総連合)の略称。世界最大の労働組合の国際組織。本部はベルギー・ブリュッセル。2006年11月にICFTU(=国際自由労働組合総連盟、1949年結成)とWCL(=国際労働組合連合、1920年結成)、どちらにも加盟していなかったいくつかの国の労働組合中央組織(ナショナルセンター)によって設立された。現在、163カ国、322加盟組織を有し、組合員はおよそ2億人。

〈髙木剛UAゼンセン元会長からの激励のコメント(抜粋)〉

「郷野さん、世界労働者の先頭に!」
 2022年11月、ITUCの第5回世界大会においてUAゼンセンの郷野晶子元副会長が会長に選出されました。郷野会長のご奮闘を心から祈念します。大変なお役目ですが永年にわたる国際労働運動における経験を生かし、頑張ってください。
 ITUCはヨーロッパ・南北アメリカ・アフリカ・アジア太平洋の4つの地域組織のチャンネルを持つほか、ILO(=国際労働機関)やOECD-TUAC(=経済協力開発機構労働組合諮問協議会)、各種NPO・NGOなどとさまざまな形で連携をしています。また、ロシアによるウクライナ侵攻やエネルギー価格の高騰、人権問題、環境破壊など、ITUCをとりまく環境は厳しく、その役割と責任は広く重いです。
 しかし、郷野会長には運動の原点である「パンと自由と平和」を胸に諸課題に取り組んでほしいと思います。郷野会長、ご健康に留意され、世界の労働者の先頭に!。ご奮闘くださいますように。そして、老婆心ながら、郷野さん、「GoodLuck!」。

髙木 剛(UAゼンセン元会長・連合元会長)

 

髙木元会長のコメント全文は「UAゼンセン新聞」2022年12月1日号に掲載。

■郷野晶子新会長の経歴■
1981年4月…ゼンセン同盟書記局入局
1998年9月…TWARO(国際繊維被服皮革労組同盟アジア太平洋地域組織)書記長
1999年9月…ゼンセン同盟常任中央執行委員(国際局長)
2002年9月…UIゼンセン同盟常任中央執行委員(国際局長)
2012年11月…UAゼンセン常任中央執行委員(国際局長)
2016年5月…インダストリオール・グローバルユニオン繊維衣料製靴皮革部門共同議長
2016年9月…UAゼンセン副会長
2016年10月…インダストリオール・グローバルユニオン会計監査
2016年12月…インダストリオール・グローバルユニオン日本加盟組織協議会事務局長(現職)
2016年12月…日本労働組合総連合会(連合)参与(現職)
2017年1月…ILO(国際労働機関)理事
2020年9月…UAゼンセン参与(現職)
2021年6月…ILO理事再選
2022年11月…ITUC(国際労働組合総連合)会長

ITUC会長に選出された郷野晶子UAゼンセン参与

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