「持続可能なまちづくり×地域公共交通に向けて」 地域共創がカギに

 

相良氏

講演でJR連合の取り組みを報告する相良組織・政治局長

 

 2023年7月10日、UAゼンセンは東京・市ヶ谷で「2023年度 まちづくり委員会代表者会議」を開催。各都道府県支部のまちづくり委員会代表者を中心に70名が参加し、”公正で包括的なまちづくり”を目ざして相互に報告や討議を実施しました。

 冒頭、まちづくり活動を担う政策グループを代表し、西尾多聞副書記長が挨拶を行いました。挨拶のなかで、西尾副書記長は「4年ぶりに集合形式で代表者会議を開催した。本日は各都道府県支部の皆さんに積極的に報告や意見交換、討議を行っていただき、まちづくりの活動をより一層充実させたい」と述べました。

 

 その後、JR連合の相良夏樹組織・政治局長が「持続可能なまちづくり×地域公共交通に向けて」と題し、講演を行いました。講演では、新型コロナ感染拡大による影響やJRの各路線が置かれた現状や人口減少・少子高齢化の進展、高速道路網の拡大などにより、利用者が大幅に減少傾向にある点などに言及し、各地域の特性や『地域の足』としての利用形態などをふまえ、『真に必要とされる持続可能な交通体系』の確立が必要」と提起しました。

 

 さらに、地域公共交通を維持し、活性化させていくための方策として、「労働組合が『地域との窓口』の役割を積極的に果たし、会社とともに路線を利用する地域住民との対話を充実させる」ことや「法律上のスキームとして認められた地域公共交通再編に関する協議会に積極的に参加するとともに、複数の市区町村にまたがって県単位などで協議の場を設けるように提言する」「複数の関係省庁に働きかけ、法整備や財源の確保に努める」などを紹介。これをふまえ、運動や政策の理解を前提とした「21世紀の鉄道を考える議員フォーラム(=川合孝典、田村まみ両組織内参議院議員も所属)」や「地方議員団会議」「地方議員団連絡会」を中心に、政策実現へ向けた取り組みを展開していることを報告しました。

 

 最後に、相良政治・組織局長は「不採算路線と聞くと、存続・廃止の二者択一に考えてしまいがち。しかし、実際にその路線は学校に通う児童・生徒や病院に通う患者、買い物弱者などに必要な『足』となっている。今後も、民間的側面と公共的側面の両面から、すべての関係者と共に地域公共交通のあり方についてご理解・ご協力をいただけるような取り組みを展開していきたい」と決意を語りました。

 

地域の実情に沿った「まちづくり」を推進していく

 

森田支部長

栃木県支部におけるまちづくり活動を報告する森田了介支部長

 

 講演後には、政策政治局の小笠原呂和部長が「まちづくり活動の推進について」、関口太一局員が「2023年度UAゼンセン重点政策(地域政策)」とそれぞれ題した報告を実施。まちづくり活動を取り巻く環境や取り組みの方向性、今後の展開、地方自治体等への要請項目などを共有しました。

 

 引き続き、北海道、岩手県、栃木県、新潟県、千葉県、大阪府、兵庫県、広島県の8道府県支部が「都道府県支部活動報告」を行いました。具体的には、報告者からは被災地の復興・創生支援や地域特産品の振興、防災・減災へ向けた取り組みなどの報告がありました。

 さらに、報告を受け、参加者全員で全体討議を実施。討議のなかでは、この間、多くの都道府県支部で行った電力料金に関する要請の結果や、まちづくり委員会として政策・制度要請にどのような形で携わっていくのか、自治体に対する要請後のフォローアップのあり方など、事前に集約したアンケート結果などもふまえながら、具体的な項目について意見が交わされました。

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