UAゼンセンとJEC連合とJAMの3産別で構成する「ヘルスケア産業プラットフォーム(医薬・医療機器・医薬品卸・OTC・化粧品関連労働組合政策推進協同協議会)」は、4月22日(月)都内にて「2024ヘルスケア関連産業シンポジウム~持続可能な社会保障制度の構築とイノベーション推進、安定供給確保~」を開催しました。参加者は、現地139名、WEB112名の合計251名。

 

 冒頭、篠原PF代表(製造産業部門医薬化粧品部会長)は、「労組の強みは現場の声をタイムリーに把握し、発信していくことだ。直近の調査では生産や流通において、深刻な人員不足が起きているとの実態を把握している。持続的な経済成長と将来に渡って不安のない社会保障制度を構築するうえで、労働組合の立場で労組としての責任と役割を果たしていきたい」と決意を述べました。

 

 その後、一般社団法人未来研究所臥龍代表理事の香取照幸氏が基調講演としてご登壇され、社会保障の全体像を解説しつつ、現下のイノベーション創出環境にかかる課題や供給不安の実態について大変分かりやすく解説をしていただきました。香取氏は、講演の中で医薬品の取引慣行改善にも言及され、「薬価と実勢価の乖離率が縮小する中、薬価差益が医療機関の収益を補填する意味合いは薄れている」としたうえで、一般消費財同様に発生する流通コストについて、「市場取引に委ねる以上、一定のばらつきが生じるのは当然のこと」とし、ベンチマークを用いた交渉の問題点を指摘しました。

 

 その後、厚労省、業界団体、コンサルティング会社、連合がそれぞれの立場を代表してパネル発表を行い、労働者の立場を代表して登壇した連合の佐保総合政策推進局長はヘルスケア産業プラットフォームがメーカーや受託生産機関を対象に実施したアンケート調査から安定供給基盤が揺らいでいる実態を報告し、対応の必要性を訴えました。

 

 それぞれの問題意識を発表したのち、最後にパネルディスカッションが実施され、主に産業のグローバル競争力の確保、経済安全保障の視点も踏まえた産業政策の必要性について活発な討議が行われました。なお、同日に開催されたレセプションには、UAゼンセン組織内議員である川合孝典議員、田村まみ議員、堂込まきこ、をはじめとする各産別が連携する国会議員7名にご参加をいただくなど、多くの来賓を囲みながらの交流機会となりました。

篠原PF代表あいさつ(製造産業部門医薬化粧品部会長)
一般社団法人未来研究所臥龍代表理事の香取照幸氏(写真左上)による基調講演の後、厚労省や業界団体など各方面の担当者によるパネル発表の様子
パネルディスカッションの様子
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