”歴史的な転換が必要ないまこそ、働く者の声による政策実現を”

 

手交

伊原事務次官に要請書を手交する松浦会長(左から5人目)

 

 UAゼンセンは毎年、政策・制度に関する諸課題について、UAゼンセンの「綱領」「運動の基本」「2025中期ビジョン」をふまえ、早期の実現を目ざす政策や重要度の高い政策を「重点政策」として取りまとめ、それにもとづき、各省庁に対して要請活動を展開しています。2024年7月30日、UAゼンセンの松浦昭彦会長は厚生労働省を訪問。伊原和人事務次官に対し、「2024年度重点政策」にもとづく要請を行いました。また、要請後には製造産業・流通・総合サービス各部門の政策担当者らを交え、厚生労働省の担当者と「重点政策」に掲げた具体的な政策課題に関する意見交換を行いました。

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 冒頭、松浦会長から要請書を手交。伊原事務次官に対し、「2024賃金闘争では、UAゼンセン全体で大幅な賃上げを獲得することができた。しかし、業種ごとの賃上げ状況に目を向けると、医療・介護などの賃上げは他産業と比較して遅れをとっている。すべての産業において物価上昇を上回る賃上げを継続するためには、引き続きの環境整備が必要不可欠。また、繊維産業におけるサプライチェーン全体での価格転嫁の推進にも、政府調達におけるチェックを強化し、価格転嫁しない企業は入札への参加を制限するなど、もうひと押しの対応が求められる。こういった課題を含め、UAゼンセンは全国の組合員の抱える問題を「重点政策」として取りまとめ、政策実現につなげていきたいと考えている。厚生労働省所管の政策においても、本日共有する働く者の声を反映してほしい」と訴えました。

 

 これに対し、伊原事務次官は「最低賃金を含め、やっと賃金が上昇するようになったが、医療・介護をはじめ公的部門や中小企業では、まだまだ賃上げが足りていない。また、人手不足も深刻な状態が続いている。このような状況をふまえ、現在は歴史的な転換点にあり、新しい社会政策を考えていく必要があると認識している。皆さんからいただいた声もふまえながら、いま必要な政策実現を検討していきたい」と回答しました。

 

 また、川合孝典組織内参議院議員は、「厚生労働分野の政策実現については、先の国会において田村まみ組織内参議院議員が厚生労働委員会でUAゼンセンの組合員の声を国政に反映させようと奮闘してきた。いま、新しい社会政策という観点で言えば、例えば、地方の中小企業などでは公務員の賃上げを一つの指標としているところが多い。そういった観点から公務員の処遇を検討する必要がある。また、厚生労働省が所管する政策を『社会保障』と『福祉』の双方の視点から再検討していくことも重要」と提起しました。

 

さまざまな政策課題について『働く者の視点』で意見交換を実施

 

意見交換

多岐にわたる項目について積極的な意見交換を行った

 

 手交後には、厚生労働省の担当者らと意見交換を実施。意見交換に先立って、松浦会長は「物価上昇を上回る賃上げの継続をはじめ、働く者の雇用と生活を守り、向上させる政策実現について、忌憚のない意見交換をお願いしたい。ぜひ、本日お伝えする現場の実態を厚生労働省の取り組みのなかで反映させてほしい」と期待を寄せました。

 

 続いて、製造産業・流通・総合サービス各部門の政策担当者らを交え、諸課題に関して相互に充実した意見交換を行いました(意見交換を行った項目については下図を参照)。

 

囲み

 

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