”それぞれの職場の実態をふまえ、障がい者雇用促進を”
各職場に合った障がい者雇用の推進を提起する松原支援員
現在、政府は障がい者雇用の促進へ向けた環境整備を進めています。直近では、本年4月1日から障がい者雇用に関する法定雇用率が2・5%に引き上げられました。このような状況をふまえ、2024年8月2日、UAゼンセンは加盟組合労使で障がい者雇用の促進をはかるため、「障がい者雇用促進セミナー」を開催しました。
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「障がい者雇用促進セミナー」には、加盟組合労使を中心に32名が出席しました。冒頭、松井健労働条件局長は「今回のセミナーでは、とくに中規模・小規模の事業場での障がい者雇用促進に焦点を当てている。本セミナーを各職場で障がい者雇用の促進を前進させる契機としてほしい」と述べました。
続いて、社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師であり、NPO法人NECSTの運営する就労移行・定着支援事業所「ビルド神保町」において、障がい者雇用促進に携わる松原未知就労支援員から、「中小規模事業場だから実現できる障がい者雇用のいまとこれからを考える」と題した講演をいただきました。
松原就労支援員は、豊富な体験談と実際事例を引用しながら、次の5点を解説しました。①障がい者雇用の今後…法定雇用率を達成するためには精神障がい者を積極的に雇用する必要がある。②精神障がい者雇用のメリット…社会人経験や専門的資格を持つ者が比較的多く、担当業務に制限が少なく、業務優先での配置が可能なため、人手不足の解消に有効。③中小事業場との親和性…発達障がい者(ASD、ADHD、LD)の特性が業務改善につながった事例もある。④医学モデルから社会モデルへ…障がいを〝乗り越える対象〞として捉えるのではなく、社会全体で障がいの特性を受け入れる環境の整備が必要。⑤労働組合にできること…「障がい者」ではなく「一人の組合員」と言う視点で雇用を守っていく必要がある。
最後に、松原就労支援員は「就労移行・定着支援事業所や国・地方自治体の窓口など、外部の専門機関とも連携し、各事業場に合った障がい者雇用を実現してほしい」と講演を締めくくりました。
”多様な個性を生かし、一人ひとりが活躍できる職場づくりへ”
障がい者雇用に関する事例発表を行う足立人材企画担当
講演後には、都市型小型食品スーパーマーケットを展開するまいばすけっと(まいばすけっと労働組合はUAゼンセンの加盟組合)の足立剛管理本部人材企画担当より、同社の「多様な個性を尊重し、一人ひとりが成長を実感できる機会を提供する」というビジョンにもとづく障がい者雇用に関する事例発表をいただきました。
引き続き、UAゼンセンは、障がい者雇用を促進し、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現へ向け、取り組みを進めていきます。
※本セミナーの資料およびZoom録画動画をUAゼンセンメンバーズサイト(組合役員用)に掲載しています。自組合の取り組みにお役立てください。
https://uazensen.my.site.com/s/groupsharinginfo/a07J4000001ukmHIAQ/