”個別的な闘争支援を強化し、より一層の賃上げ実現につなげる”

 

永島会長

2025労働条件闘争に関する質問に答える永島会長

 

 2024年12月5日、UAゼンセンは2025労働条件闘争に関する記者会見を実施。報道関係者等31社46名の出席のもと、2025労働条件闘争方針案や製造産業部門が実施した「価格転嫁の状況等に関する調査」の結果などを報告しました。

 

 冒頭、永島智子会長は2025労働条件闘争に関し、「11月6日に開催した政策フォーラム以降、製造産業・流通・総合サービス各部門や都道府県支部での討議を経て、2025賃金闘争において、正社員組合員は賃金体系が維持されている組合では、賃金体系維持分に加えて4%基準、要求額は格差是正分を含め1万2500円とし、賃金体系が維持されていない組合は、賃金体系維持分に加えて6%基準、要求額は格差是正分を含め1万7000円とした。また、短時間組合員については、制度昇給分に加え60円、5%基準で引き上げるとし、制度昇給分が明確でない場合は、制度昇給分を含めて80円、7%基準で引き上げるとした。加盟組合一丸となって実質賃金の引き上げを実現し、それを定着させることで日本経済を成長軌道に乗せていきたい」と決意を述べました。

 

 続いて、西尾多聞書記長が2025労働条件闘争方針案の内容を報告。西尾書記長は「2023・2024闘争では、加盟組合の精力的な労使交渉の結果として、非常に高い水準での賃上げを実現し、社会的な賃上げの流れをつくり出すことができた。一方で、組合規模別で分析をすると、300名未満の組合と300名以上の組合には、妥結率で1%程度の差がつく結果となった。また、300名未満の組合のうち、賃金体系が維持できておらず、賃金水準も把握できていない組合も多いという実態がある。2025闘争では、個別的な闘争支援を強化し、より一層の賃上げを実現したい。加えて、適正な価格転嫁など賃上げ促進に関する環境整備にも積極的に取り組んでいきたい」と強調しました。

 

 さらに、本記者会見では、直塚政之副会長(製造産業部門・部門長)が、製造産業部門の実施した「価格転嫁の状況等に関する調査」の結果について報告を行いました。直塚副会長は「2年間4回にわたる調査によって、ある程度は価格転嫁が前進していることが明らかとなった。しかし、企業規模が小さくなるほど、依然として賃上げの原資を『企業からの持ち出し』に頼っている実態がある。中小企業がしっかりと賃上げ原資を確保するためには、労務費を含めた適正な価格転嫁をより一層、推進していく必要がある。政府の施策などを周知しながら、労使協議をつうじて価格転嫁促進に取り組んでいきたい」と提起しました。

 

 最後に、「年収の壁」問題への対応やUAゼンセンによる個別的な闘争支援の内容、今後の闘争の進め方など多岐にわたる項目について質疑応答を行いました。

 

 ※2025労働条件闘争方針は、同日(2024年12月5日)の第3回中央執行委員会で執行部案を確認。来年1月16日の第13回中央委員会で決定します。

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