クロマツの海岸林を取り戻すため、葛切りに汗を流す

 

集合写真

参加者の皆さん。海岸とクロマツ植栽地(左)の間の防波堤の上で撮影

 

 UAゼンセンは東日本大震災からの復興・創生へ向けた支援活動として、公益財団法オイスカ(※)の「海岸林再生プロジェクト」に取り組み、2014年度以降、これまで延べ1181名のボランティアを派遣しています。2025年9月26日には、2025年第3回目となるボランティア派遣を実施。加盟組合の組合員、事務局を含め19名がクロマツ周辺に生い茂る葛(クズ)の撤去に汗を流しました。

※本部を日本に置き、41の国と地域で活動を展開する国際NGO。「海岸林再生プロジェクト」の他にも、アジア・太平洋地域で農村開発や環境保全活動を展開している。

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 元来、宮城県名取市沿岸には、伊達政宗公の治世から農地開墾に合わせ、潮風から農地を守るために海岸林が造成され、代々守り、受け継がれていました。これによりクロマツに守られた名取市沿岸では小松菜やチンゲンサイ、米などを栽培し、「仙台の台所」と呼ばれる一大農産地となっていました。しかし、2011年3月11日、未曽有の津波が押し寄せ、クロマツの海岸林も壊滅的な被害を受けました。このような状況のもと、オイスカは2011年からクロマツの植樹活動を開始。UAゼンセンは2014年からこの活動に対する支援を開始し、クロマツの植樹を中心とした「第1次10カ年計画」に続き、クロマツの育成を目ざす「第2次10カ年計画」に至るまで、継続した支援を続けています。

 

 2025年9月26日、仙台駅西口に集合した参加者は貸し切りバスで「オイスカ名取事務所」に移動。現地でオイスカの吉田俊道Global Sustainability Misson担当部長から作業説明を受けた後、名取市の沿岸100ヘクタールに広がるクロマツの植栽地に向かいました。

 

 今回のボランティアでは、植樹後10年を経過したエリアにおいて、クロマツの生育を阻害する葛(クズ)の撤去作業を行いました。成長に当たり、日光を必要とするクロマツにとって、幹に絡みつき、大きく葉を広げ日照を奪う葛(クズ)は天敵となっています。このため、参加者は熱中症に十分注意を払いながら、クロマツの林に分け入り、夕刻まで葛(クズ)の根元を断ち、除草剤を散布する作業に汗を流しました。

 

 また、作業の合間には、吉田部長の説明によって、クロマツの生育状況や震災時の周辺の状況と今後の展望、将来にわたって必要となる支援のあり方などについて理解を深めました。参加者からは「久しぶりに参加したがクロマツの成長を確認できて安心した。また参加したい」「自組織に戻って、活動を伝えて参加者を募り、再度ボランティアに来たい」といった声がありました。

 

 海岸林は高潮や海風、霧を防ぐ機能を有する生活インフラであり、再生には多くの年月を要します。UAゼンセンは引き続き、「海岸林再生プロジェクト」への支援とボランティア派遣を継続していきます。

 

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