2022年11月1日、参議院・財政金融委員会が開催され、堂込まきこ組織内参議院議員が初めてとなる質疑を行いました。堂込議員は、本年7月の第26回参議院議員選挙において茨城選挙区に立候補し、初当選を果たしました。
初の質疑を行う堂込まきこ議員(右)と答弁する鈴木財務大臣(左)
”地域経済の下支えの早期実現を”
1日の財政金融委員会で堂込議員は、新型コロナ感染拡大で2年以上にわたってわが国の経済が停滞するなか、迅速な政策実現によって私達の生活に密接する地域経済の下支えを行う必要を訴えました。具体的には、堂込議員は新型コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格や原燃料価格の高騰、食料品を初めとする物価の著しい上昇、急速に進展する円安などを背景として取り上げるとともに、「わが国は輸入に頼らざるを得ない状況にあり、この構造的な要因が経済の低迷を招いている」と指摘。鈴木俊一財務大臣に対し、地域経済の下支えへ実効性ある政策の早期実現を求めました。
これに対し、鈴木財務大臣は「ご指摘のとおり、構造的な問題を解消すべく、必要な政策を速やかに国民に届けていきたい」旨、答弁しました。
「収入の壁」改善で公正な働き方の選択を可能に
また、堂込議員はいわゆる「収入の壁」問題についても指摘。最低賃金(時給)が全国加重平均で31円引き上げられ、さらに本年10月から社会保険について従業員数101人以上の事業所に働く短時間労働者に適用拡大されるなど、社会全体で労働条件向上の期待が高まる一方、いわゆる「収入の壁」を意識し、就業調整を行う短時間労働者が多い点にふれ、「20歳~69歳の配偶者を持つ短時間労働者の7割近くが就業調整を行い、さらにそのうちの8割近くは『働き損にならなければより多く働きたい』と回答しているという調査結果も出ている。税制を司る財務省として、就業調整を意識しないで働くことができるように必要な対応を進めるべき」と求めました。
これに対し、鈴木財務大臣は「配偶者特別控除により、すでに従来の『103万円の壁』はある程度、解消していると捉えている。今後はより一層、制度周知などにつとめていきたい」と回答。堂込議員は重ねて「配偶者特別控除により、『103万円の壁』は解消したとしても、いまだに『150万円の壁』が存在している。加えて、労働者の心理的な壁もあるので、労働者が希望する働き方を公平に選択できるように、さらなる対応が必要」と訴えました。
「収入の壁」とは、世帯主(=納税者)の扶養の範囲から外れる年収を指す。配偶者の年収がその金額に達する(=壁を越える)ことで、税金や社会保険料の負担が発生する。具体的には、「配偶者控除」(=配偶者の年収が103万円以下の場合に納税者の負担する税金が軽減される制度)に関する「103万円の壁」や「配偶者特別控除」(=配偶者の年収が103万円を超えて配偶者控除の対象外となっても、年収201万円までは納税者の負担する税金が減額される制度。年収150万円までで最大38万円の控除を受けられる)に関する「150万円の壁」などが存在している。
金融緩和の修正を求める堂込まきこ議員(右)と答弁する黒田総裁(左)
異次元の金融緩和の修正、デジタル決済の普及などで質疑
引き続き、11月10日に開催された財政金融員会でも、堂込議員は質疑を行いました。本委員会では、物価が3%程度上昇する一方、諸外国と比較してわが国の賃金水準はいまだに不十分であり、地元(茨城選挙区)からも生活に関する不安の声が寄せられていることに言及。そのうえで、参考人の黒田東彦日本銀行総裁に対し、2013年から継続している異次元の金融緩和の見直し・修正も含めた経済対策の必要性を訴えました。これに対し黒田総裁は「為替の動向や物価の安定の観点からも、国内の状況を注視しながら、まずは現在の金融緩和で経済安定をはかっていきたい」旨、回答しました。その他、堂込議員はデジタル決済の普及とそれに伴う懸念などについても質疑を行いました。
「異次元の金融緩和」とは、2013年4月から日本銀行が導入している金融政策の通称。これまでの金融政策では、好景気などで物価が上昇する局面では「金融引き締め」(=市場に流通する資金の量を減らす)を、逆に不景気などで物価が下落する局面では「金融緩和」(=市場に流通する資金を供給する)が行われてきた。しかし、2013年4月、日本銀行の黒田東彦総裁は「量的にみても、質的にみても、これまでとは全く次元の違う金融緩和を行う」と発表。消費者物価指数の前年比上昇率2%を目標に掲げ、金融機関の保有する国債の急速かつ大規模な買い入れやマイナス金利の導入などを実行している。