2024労働条件闘争の開始にあたり、短時間組合員が被用者保険(厚生年金保険および健康保険)の加入基準とならない範囲内に労働時間を調整する「年収の壁」が大きな課題となっています。法定最低賃金の引き上げや労使交渉によって短時間組合員の時間賃金は上昇する一方、年収は増えず、職場では人材不足に拍車がかかっています。
労働者が希望どおりに働く時間を選択でき、職場で能力発揮ができるよう、UAゼンセンでは社会保険の適用拡大に労使で取り組むこととしており、そのなかでキャリアアップ助成金の活用を促進しています。
具体的には、ベースアップの実施に対して助成を受けられる「賃金規定等改定コース」に加え、あらたに被用者保険に加入する労働者の保険料負担分に対して助成を受けられる「社会保険適用時処遇改善コース」の両方を活用するよう提案しています。セミナーには加盟組合企業8社の労務担当者を含む計105名が参加し、厚生労働省の講師から、助成金の制度内容とともに、具体的な活用例を交えて説明を受け、理解を深めました(図)。
適用拡大を進めるには、賃上げによって被用者保険適用対象となる見込みの組合員に対して正確な情報を十分に説明し、今後の働き方について考えてもらう必要があるため、UAゼンセンでは説明時に活用できる器材を作成しました。労使が協力して進めていけるよう、方向性を協議し共有することから始めましょう。
※本セミナーの資料およびZoom録画動画をUAゼンセンメンバーズサイトに掲載しています。企業側は加盟組合企業に限り視聴いただけますのでご活用ください。
https://members.uazensen.jp/visitor/honbu/index.cgi?i=2&j=288&id=1702441042
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