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グローバルなサプライチェーンに関するILO基準に向けた進展

2016年6月15日

ジュネーブで開催された2016年ILO総会の会合において、政労使の代表からなるグローバルサプライチェーンにおけるディーセントワーク委員会は多国籍企業のサプライチェーンで欠如している労働権に対処するためILOが何をすべきかを議論した。

明らかに低賃金と法及び施行の不備に付け込むために作られたビジネスモデルによって、グローバルサプライチェーンの拡大は加速した。

ある調査によると、グローバルな労働力の5分の1以上がグローバルサプライチェーンで仕事をする一方、サプライチェーンにおける労働者の権利が損われつつある。衣料産業では、1989年から2010年の間に、米国へのアパレル輸出業者上位20社の労働者の権利に関する点数が73%も低下した。同時に、彼らが生産した衣料に支払われる価格は42%低下した。
インダストリオールグローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、自主的な企業の社会的責任のイニシアチブは失敗した、と述べた。

このイニシアチブは、賃金の改善、労働時間の短縮のみならず、組合に加入する労働者の権利または安全な職場を求める権利の尊重を確保することも満足に出来なかった。

我々は、賃金、労働条件に関するグローバルな底辺への競争を止める、サプライチェーンに関する法的拘束力ある規則を必要としている。

もっとも悪名高いのが、社会監査及び認証機関であるSAIとBSCIが全焼し、254名の死者を出したパキスタンのアリ・エンタープライズ衣料工場及び、崩壊し1,134名の死者を出したバングラデシュのラナ・プラザに、それぞれ事故発生以前に適正証明書を発行していたことがある。

こうしたことから、インダストリオールをはじめとする労働者の代表は、これらの欠点に対処するグローバルサプライチェーンに関する条約に向けて取り組むという決定をさせるため、ILO総会の議論に取り組んだ。条約は、賃金及び労働条件に対する説明責任を強化すると共に、労働組合権確保のためのサプライヤー、バイヤーの双方の役割と責任を明確化するだろう。

数多くの過熱した議論と数回の深夜に及ぶ交渉を経て、この方向で前進する権限を与える最終文書で合意した。最終結論はILOに対して、現ILO基準がサプライチェーンにおいてディーセントワークを獲得するという目的に合致しているか検証し、どの様な指針、計画、措置、イニシアチブ、基準が必要かを検討する委員会を開催するよう求めている。今後、条約が正式な議題となる可能性を残すため、「基準」という言葉を含めることが必須である。

重要なことに、結論はILOに対し、グローバル枠組み協定に向けた交渉を支持、促進すること及び監視、仲介、紛争解決などのフォローアップを支援することを認めている。

議論の中で、インダストリオール、UNIグローバルユニオン及び200以上の衣料多国籍企業間で署名されたバングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定がサプライチェーンの説明責任の分野における画期的なイニシアチブとして繰返し引用され、法的拘束力のある協定として結論文書で強調されている。

サプライチェーンに関するグローバルな規則が無い中で、インダストリオールは関連する部門の多国籍企業に責任を負わせる行動に出ている。バングラデシュ協定と共に、1,000万人以上の労働者を対象とする、多国籍企業47社とグローバル枠組み協定を締結している。また、悪質な使用者に対しては、彼らのサプライチェーンの企業名と店舗名を公表し、辱めるキャンペーンを行っている。また、衣料産業では、インダストリオールとグローバルな衣料多国籍企業間のACTイニシアチブによって、産業レベルの交渉をブランドの購買慣行の改善に結び付け、衣料労働者の生活賃金を獲得することを目指している。