青森・岩手・秋田で大型家電量販店の年間休日を111日以上とする拡張適用が決定

 

三浦広和委員長 三浦聡一委員長

両委員長が記者からの質問に答える様子

 

 2023年4月11日、UAゼンセンの加盟組合であるヤマダホールディングスユニオンおよびデンコードーユニオンの申し立てについて、厚生労働大臣は青森、岩手、秋田県内の店舗に関し両ユニオンが会社と締結した労働協約を3県内にある他社の大型家電量販店にも効力を及ぼす「労働協約の地域的拡張適用」を決定しました。これにより、対象店舗の正社員に対し、年間111日以上の休日を付与する必要があります。UAゼンセンは2021年9月22日にも、(ヤマダホールディングスユニオン、ケーズホールディングスユニオン、デンコードーユニオンの申し立てによって)茨城県全域を対象とした地域的拡張適用を実現しています。なお、都道府県を越えた拡張適用は、国内で初めての事例とされています。

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 同日午後、UAゼンセンは今回の「地域的拡張適用」に関して記者会見を開催。報道関係者等18社20名が出席しました。記者会見の冒頭、古川大(まさる)書記長は「今回の地域的拡張適用の内容は前回と同様だが、より広域な複数県で拡張適用できることが明確になった。労働協約が社会的なルールにつながることから、集団的労使関係の構築や労使交渉の意義が高まったと認識している。引き続き、さまざまな業種や地域で拡張適用の取り組みを進めていきたい」と挨拶を行いました。その後、西尾多聞副書記長が今回の地域的拡張適用について解説を行いました。

 また、出席した記者からの質疑応答のなかで、当事者であるヤマダホールディングスユニオンの三浦広和委員長は「今回の地域的拡張適用に当たっては、執行部はもちろん、各地域の分会長にも協力をいただいた。今後も家電関連部会の仲間達で勉強をしながら、取り組みを進めていきたい」と語りました。さらに、デンコードーユニオンの三浦聡一委員長は「労働協約の拡張適用が、従業員・組合員の福祉の向上につながるからこそ、経営者の賛同が得られた。業界の労働条件がしっかりと整備されていくことが大切だと感じる」と強調しました。

【参考】 厚生労働省HP「労働協約の地域的拡張適用について厚生労働大臣が決定した事案」

 

  
「地域的拡張適用」とは?

 一定の地域において同種の労働者の大部分が同じ労働協約の適用を受ける場合、その労働協約の内容をその地域における他の同種の労働者に適用させる仕組み。労働組合法第18条に規定がある。2021年9月22日、実に32年ぶりに、UAゼンセンの加盟組合であるヤマダホールディングスユニオン、ケーズホールディングスユニオン、デンコードーユニオンの申し立てにより、茨城県内の大型家電量販店に年間休日111日以上の労働協約が拡張適用されることが決定した。

  
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