"次の感染拡大を見据え、実効性のある対策を実行する組織が必要"

 

連合審査会

新型コロナ感染防止対策の強化を訴える田村議員

 

 2023年4月18日、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」および「内閣法」の一部を改正する法律案を議題として、内閣委員会と厚生労働委員会による連合審査会が開催され、田村まみ組織内参議院議員が質疑を行いました。

 

 質疑の冒頭、田村議員は後藤茂之新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣に対し、本法案において次の感染症拡大に対する備えとして、内閣総理大臣を直接的に補助する「内閣感染症危機管理統括庁」が創設されることに言及。そのうえで、既存の政府機構などとの重複を指摘し、「本法案の準備段階において、統括庁の創設ありきでなく、既存の政府機構の活用などの検討を行ったのか」と問いかけました。これに対し、後藤大臣は「有事の際に、単なる権限の委譲などではなく、感染防止対策の『司令塔』である内閣総理大臣を直接助け、危機管理を迅速に行うために統括庁を新設し、常設・運用していくことが必要と判断した」と回答しました。これをふまえ、田村議員は「次の感染拡大に備え、実効性のある対策を実現させるためには、各関係省庁の計画や行動を効果的に連動させることが重要。組織の形にこだわらず実行の部分をチェックしていく必要がある」と重ねて指摘しました。

 

 次に、田村議員は有識者会議による指摘を引用し、今回の新型コロナ感染拡大のもと、現行の体制において感染防止へ向けた取り組みが迅速に行えなかった原因について「既存の感染症法上に一致しないウイルスであり、現行の体制を十分に活用しきれなかった」ことを取り上げました。そのうえで、田村議員は後藤大臣に対して、「次の感染拡大を想定したときに、実際に感染拡大が起きてから担当大臣の任命や対策本部の設置などがあると考えられる。具体的に、いわゆる平時から有事への移行はだれがどのように判断するのか」と質問しました。これに対し、後藤大臣は「感染症の感染拡大などがあった場合、厚生労働大臣が内閣総理大臣に発生状況などを報告し、判断することとなっている」と回答を行いました。

 

「業種別ガイドライン」が適正に運用される体制を目ざして

 

連合審査会

田村議員の質問に対して回答する後藤大臣(左端)

 

 続けて、田村議員は新型コロナ感染拡大のもとで策定された「業種別ガイドライン」に言及しました。具体的には、「この間、明らかになったとおり、感染症拡大のもとでも人々の生活を支える事業は継続しなければならない。今回の新型コロナ感染拡大では、『状況の変化やエビデンスにもとづく変更を迅速に行えなかった』という指摘も多い」と提起。「創設される統括庁ではこの点をしっかりと是正し、必要な際に『業種別ガイドライン』を速やかに策定し、状況の変化に応じて迅速な改定を行えるような体制が必要。実効性のある体制を目ざし、政府のチェック機能強化が必要」と訴えました。田村議員の提起に対し、後藤大臣は「ご提起いただいた点は、有識者会議においても指摘があった。統括庁でしっかりと『業種別ガイドライン』の策定・改定の対応を行っていく」と答弁を行いました。

 

「業種別ガイドライン」とは?

 新型コロナ感染拡大のもと、感染拡大の防止と社会経済活動の両立をはかることを目的に、各業界団体が専門家や関係省庁の助言等をふまえ、業種ごとに適切な感染防止策を自主的にまとめたもの。2023年4月4日現在、195個の業種別ガイドラインが策定されている。

 

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