2022年4月19日、川合孝典組織内参議院議員は法務委員会において、3月16日の同委員会に引き続き、外国人技能実習制度に関する質疑を行いました。質疑のなかで川合議員は、新型コロナ感染拡大の影響で制限をかけていた出入国が緩和されつつある点にふれ、この機会に行方不明が頻発する技能実習生について対策を急ぐように求めました。
具体的には、一部の実習実施者による技能実習生の不適切な取り扱いに言及。厚生労働省が一昨年、監督・指導した実習実施者(8100事業所)のうち、実に70%近くに相当する5700事業所において、労働基準法や労働安全衛生法の違反が判明している点にふれ、古川禎久法務大臣に対して、「外国人技能実習生を本来の趣旨に沿わない、安価な労働力として単純労働に従事させる事業者が後を絶たない現状がある。認定基準の見直しが必要なのではないか」と質しました。これに対し、古川大臣は「実習計画については、一定の基準を設け、雇用契約の内容も精査したうえで、認定を行っている。しかし、一部の実習実施者による不適切な取り扱いがあるのも事実。外国人技能実習機構で、認定された実習計画と実際の労働環境について、重点的なチェックを行っている。引き続き、制度を共管する厚生労働省と連携し、不断に改善をはかっていく」と答弁しました。これを受けて、川合議員は「認定の基準自体はしっかりしていても、認定のあり方自体に”抜け穴”があるという事実がある」と重ねて指摘し、実効性のある取り組みを促しました。
続いて、川合議員は監理団体への監督・指導の現状について質疑。外国人技能実習機構による実地検査に関して、検査の内容や項目など、必要な事項がマニュアル等の形式で明確に策定されていない点を問題提起しました。そのうえで、「公正で均質な検査を行う必要がある。外国人技能実習機構は趣旨に沿って検査を実施していると認識しているが、検査と現状の間に乖離がある以上、それを認めたうえで、改善へ向けた議論を進める必要がある」と訴えました。
最後に、技能実習生が送り出し機関への手数料などで、本国で借金を負っており、返済が経済的負担になっている問題を取り上げました。これに関して、不適切な送り出し機関への対応とともに、技能実習生の借金に関する状況把握の現状を法務省に質しました。さらに、技能実習生がルールにもとづかない借金を抱えている場合に、送り出し機関が資格認定されなくなることで、「技能実習生自身が、借金を抱えてしまったことに関する被害を受けている点に対応が必要」と求めるとともに、「今後も法務委員会で引き続き求めていきたい」と質疑を締めくくりました。