”賃金引き上げ”・”価格転嫁の推進”で組合員の生活を守る

 

吉山事務局長

報道関係者等を前に説明を行う吉山事務局長

 2023年1月12日、UAゼンセンは第11回中央委員会(1月18日、大阪開催)に関して記者レクチャーを開催(報道関係者等18名25社が出席)しました。本記者レクチャーでは、2023労働条件闘争方針に関し、製造産業部門の吉山秀樹事務局長が説明を行いました。

 説明の冒頭、吉山事務局長は今次闘争の基本姿勢として、「食品やガス、電気料金など、物価高騰が続く現状をふまえ、生活負担が増している組合員の暮らしを守るために、賃金引き上げに取り組む」ことを提起。そのうえで、製造産業部門に所属する加盟組合の状況として、「業種別にバラツキはあるが、新型コロナ感染拡大で落ち込んでいた生産は回復してきている。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な為替変動などの影響から、原材料価格や燃料費が高騰しており、生産コストが増加し、収益を圧迫している」と示しました。

 また、吉山事務局長は、価格転嫁に関して10月から11月にかけて、繊維加工・染色業種を中心に緊急調査を実施したことを報告(今回の緊急調査では、エネルギー価格が高騰していること背景に、個別の価格交渉が困難な繊維加工・染色業種を対象とし、繊維の産地である富山、石川、福井、岐阜、愛知、大阪に地域を絞り込み実施)。調査では回答した83組合のうち、9割近い71組合が協議・申し入れを行ったものの「十分な価格転嫁に至っていない」と回答した点を取り上げ、「中規模・小規模の組合においては、適正な価格転嫁は賃上げの原資確保に直結している。製造産業部門として、しっかりと対策を講じ、価格転嫁を推進していきたい」と述べました。加えて、同調査で「パートナーシップ構築宣言」(=企業規模の大小に関わらず、企業が「発注者」の立場で自社の取引方針を宣言する取り組み)を約半数の組合が「知らない」と回答した点につき、「サプライチェーン全体の適正配分のために設けられた制度をより一層周知すべく、所属組合のサポートを行っていきたい」と語りました。

組合員の期待に応え、頑張りに報いる賃上げの実現を

 

吉山事務局長

報道関係者等の質問に応える吉山事務局長

 その後、吉山事務局長は、要求基準などに言及。具体的には、「要求基準については、『体系維持分に加えて3%以上の賃上げと格差是正に取り組む』とし、『格差是正分』については各組合が目ざすべき水準に応じて要求を組み立てていくこととしている。また、金額で要求を行う組合については、12,000円を基準としている。この金額は、定期昇給など体系維持分の社会水準としての4,500円と、UAゼンセンの300名未満組合の平均所定内賃金250,000円の3%としての7,500円を合わせたものとなっている」と説明しました。

 また、賃上げ以外については、製造産業部門の所属組合において毎年死亡災害が発生していることから、「安全で健康な職場づくり」へ向けた取り組みを必須項目とし、労働条件闘争のなかで交渉を行うことを共有しました。最後に、吉山事務局長は「ことしの労働条件闘争では、組合員の期待が例年以上に高まっている。彼らの期待に応え、現場における組合員の頑張りに報いることができるように、業種・地域における共闘体制の強化をはかりながら、しっかりと取り組んでいきたい」と締めくくりました。

 その後、出席した報道関係者等と質疑応答を行いました。製造産業部門の闘争方針については、1月19日に大阪で開催する第11回評議員会で決定されます。

RELATED関連記事