34年ぶりの更新、茨城の家電量販店 6月以降も年間休日111日を継続
「労働協約の地域的拡張適用」茨城県知事による決定は初めて

 

 

 2023年6月1日、茨城県知事は、県内全域の大型家電量販店の正社員の年間所定休日を111日以上とする労働協約の地域的拡張適用を決定しました。茨城県では、同じ内容の労働協約の拡張適用が、2022年4月1日から実施されていましたが、5月31日が期限であったことから、6月1日以降も同様の協約が継続できるよう、ヤマダホールディングスユニオンおよびケーズホールディングスユニオンが、2022年7月に茨城県知事宛に第2次申立てを行っていました。その後、茨城県労働委員会で検討され、県知事による今回の決定に至りました。

 労働組合法第18条で定められている、労働協約の地域的拡張適用が認められるのは、本件で11例目。茨城県労働委員会による審議、茨城県知事による決定は初めてであり、同じ内容の労働協約の拡張適用が実質的に更新されるのは、1989年以来、34年ぶりです(第1次申立ては、中央労働委員会の審議、厚生労働大臣が決定)。

 これにより、2025年5月31日が本労働協約の拡張適用の期限となります。

 

茨城県報号外71号令和5年6月1日発行 http://soumu.pref.ibaraki.jp/file/PDF/2023/202306/gai71.pdf

「労働協約の地域的拡張適用」とは

 「労働協約」とは、労働組合が、賃金や労働時間、休日といった労働条件などについて会社と話し合って取り決め、労使双方が署名(または記名押印)した文書。通常、労働協約は当該労使のみに適用されるものです。しかし、ある地域で、同種の労働者の大部分が、一つの労働協約の適用を受ける、という条件が整った場合、当事者の申立てや労働委員会での審議など所定の手続きを経ることで、その地域の同種の労働者、使用者もその労働協約の適用を受けることになります。これが、労働組合法第18条に規定されている「労働協約の地域的拡張適用」です。
 推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は16.5%(※)と低位にありますが、この制度を活用することで、労使で作り上げた働くルールや最低基準が組合のない企業にも適用されることになり、労働者の保護につながります。家電業界はかつて、企業間競争の激化のなかで、年間所定休日の削減など労働条件の切り下げが行われた経緯があります。この労働協約が拡張適用されることで、家電業界で働く人々の公正労働基準となり、それにもとづく公正な企業間競争につながることが期待されます。

(※)参考 厚生労働省「令和4年度労働組合基礎調査」

 

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