”職場におけるカスタマーハラスメントの実態把握へ” 第3弾調査実施
アンケート調査の結果を報告する流通部門の佐藤宏太執行委員
現在、悪質クレーム行為等のカスタマーハラスメントが社会問題となっています。UAゼンセンはこれまで、流通・サービス業の現場で働く組合員からの切実な声を受け、労使交渉による職場の環境整備はもとより、組織内参議院議員や全国の組織内・準組織内地方議員と連携し、社会課題としてカスタマーハラスメント撲滅へ向けた取り組みを推進してきました。このほど、UAゼンセン流通部門・総合サービス部門は、下記のとおり、「カスタマーハラスメント対策アンケート調査」を実施。6月5日、本アンケート調査の結果を共有するために記者レクチャーを行いました。
2024年6月5日、UAゼンセン流通部門・総合サービス部門は記者レクチャーを実施。出席した報道関係者等31社45名に対し、「カスタマーハラスメント対策アンケート調査」の結果を共有しました。
冒頭、政策政治局の松浦勝治局長は、「現在、政府はカスタマーハラスメントに関する検討会を設置し、法整備の是非について議論を開始した。UAゼンセンとしては、今回の調査結果をふまえ、流通・サービス業の働く仲間の声にもとづく現場の実態やカスタマーハラスメント対策の法制化の必要性を訴えていきたい」と述べました。
その後、流通部門の佐藤宏太執行委員が今回の調査結果(速報)の内容を報告しました(内容は下記のとおり)。佐藤執行委員は「本調査結果をふまえ、引き続き、組織内参議院議員や全国の組織内・準組織内地方議員と連携し、カスタマーハラスメント対策の法制化・条例化を目ざしていきたい」と報告を締めくくりました。
「カスタマーハラスメント対策アンケート調査」結果(速報・抜粋)
◇調査目的 : 職場で起こっているカスタマーハラスメントの実態について調査し、
①従業員の安心・安全な職場環境の構築へ向けた法制化などの具体的な成果につなげる
②コロナ後のカスタマーハラスメントの実態をつまびらかにし、世論喚起につなげる
③カスタマーハラスメント対策へ向けた各所属組合の労使議論の推進につなげる
◇調査対象 : サービス業に従事しているUAゼンセン所属組合員
◇調査期間 : 2024年1月18日~3月18日
◇回答組合数 : 210組合/回答件数 : 33,133
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇「直近2年以内に迷惑行為被害にあったことがある」という回答は46.8%(2020年調査では56.7%)であり、減少傾向にある。※この間の世論喚起や労使の取り組みの成果と推測
◇「最も印象に残っている顧客からの迷惑行為」は「暴言」(39.8%/6,170件)が最多。「威嚇・脅迫」(14.7%/2,281件)、「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」(13.8%/2,140件)、「長時間拘束」(11.1%/1,723件)、「権威的(説教)態度」(10.2%/1,583件)と続く。
◇「迷惑行為をしていた顧客の性別」は男性70.6%、女性27.1%となった(無回答2.3%)。
◇「迷惑行為のきっかけとなった具体的な理由」は「顧客の不満のはけ口・嫌がらせ」が26.7%で最多。その他、「接客やサービス提供のミス」(19.3%)、「分からない」(17.3%)、「消費者の勘違い」(15.1%)などの割合が高い。
◇「迷惑行為における顧客からの要求として最も近いと思われるもの」は「不手際などに関する謝罪の要求」(29.2%)、「商品取り換え・再サービスを要求」(16.3%)、「上司・上長による謝罪の要求」(15.1%)などが上げられる。
◇「企業で実施されている迷惑行為への対策」は「とくに対策はなされていない」が42.2%で最多。「マニュアルの整備」(28.6%)や「専門部署の設置」(23.4%)、「迷惑行為対策への教育」(21.0%)などが続く。
「直近2年以内で迷惑行為は増えていると感じるか」は33.7%が「増えている」と回答。「減っている」は6.7%。「変わらない」は34.7%、「分からない」は24.9%。
※詳細は添付資料をご参照ください。
なお、UAゼンセンは6月10日に本調査結果をふまえ、参議院議員会館において国会議員を対象とする緊急報告集会を開催します。