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 現在、中東情勢に混乱に伴い、原油の流通が滞っており、ガソリン、軽油、重油などの燃料油や繊維、プラスチック、住宅建材などの製造に必要不可欠な石油由来の原燃料「ナフサ」などについて、供給不安や価格高騰が生じています。その結果、一部の加盟組合においては、減産や生産の一時的な停止を余儀なくされています。このような状況をふまえ、UAゼンセンは2026年4月23日夕刻、中東情勢に起因する休業等の雇用不安を想定し、厚生労働省に対して、「雇用調整助成金」に特例措置を講じることを要請しました。

 

中東情勢による雇用不安を想定し、雇用調整助成金の特例措置を求める

 

意見交換

意見交換をつうじて加盟組合の現場の実態を共有した

 

 冒頭、UAゼンセンの西尾多聞書記長から上野賢一郎厚生労働大臣に要請書を手交。西尾書記長は、「中東情勢の混乱は、製造産業部門を中心に、さまざまな加盟組合に影響を及ぼしている。この状況がいつまで継続するのか見通すことは困難であり、現場におおける一時的な製造停止や減産が組合員の雇用にマイナスの影響を与えることを懸念している。組合員の雇用を守るとともに、今回の供給不安を乗り越え、経済を安定的に回復させるためにも、雇用調整助成金に特例措置を講じ、雇用の安定をはかってほしい」と訴えました。

 

 また、続く意見交換のなかでは、松井健労働条件局長から、加盟組合における現場の実態として、「原材料の供給が滞っているため、減産せざるを得ない」(化学資材)や「梱包材の受注・発注制限に加え、扉、採光板、接着剤などの入手困難が発生している」(建設・建材)、「中東向けの製品の輸出ができない。このままでは生産調整をしなければならない」(繊維素材)といった声を共有しました。そのうえで、松井局長は「製造ラインの操業ができないことから代替作業をせざるを得ない製造現場もある。また、中東の民族衣装『トーブ』は日本製が人気だが、現在は輸出ができない状況が続いている。一方、食品製造の現場ではすでに『今後の生産の見通しが立たないため、賃上げ交渉を中断した』という声も届いている」と指摘。「個別企業の努力には限界がある。中東地域の平和と安定へ向けた外交努力や燃料油・石油製品の供給安定、流通の目詰まり対策に加え、雇用調整助成金に特例措置を設けることで、雇用不安に対する早めの対策を講じてほしい」と求めました。

 

 加えて、田村まみ・堂込まきこ両組織内参議院議員は「先行き不透明な中東情勢は、働く現場に大きな負荷を与えている。今後、休業などが見込まれるなかで、産業雇用安定センターの活用など、働く者を守るという視点に立った対策に取り組んでほしい」と強調しました。

 

 UAゼンセンの訴えに対し、上野厚生労働大臣は「現場の実態を共有いただいたことに感謝する。現在、政府としても燃料等や石油製品の供給不安に関する実態を集約しており、引き続き、川上から川下までチェックをしていく。そうして得られた実態をふまえ、供給不安による影響を最小限に抑えるため、先を見通した対策を進めていきたい。雇用調整助成金については、現状の基準を適用しつつ、今後の状況を注視していきたい。また、高市早苗総理大臣は『医療や介護など、国民の生命にかかわる分野に”目詰まり”があってはならない』という方針を掲げており、国民の生命を守るという観点からも力を注いでいきたい」と応じました。

 

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