UAゼンセンには、年齢、性別、国籍、働き方など多様な属性を持った組合員が集っており、幅広い産業、多様な雇用形態の組合員と共に、中期ビジョンとして掲げた「一人ひとりが人間らしく、心豊かに生きていく持続可能な社会」の実現を目ざして、さまざまな活動を展開しています。2026年6月15日、多様性協働局は、発達障害に関する正しい理解を深めるとともに、一人ひとりの組合員がみずからの強みを生かすことのできる職場づくりを目ざして、NPO法人DDAC「発達障害をもつ大人の会」から広野ゆい代表を講師に招き、「『大人の発達障害』理解促進セミナー」を開催。加盟組合や都道府県支部から50名以上が参加しました。
”「障害」ではなく「凸凹(でこぼこ)」と捉えて考える”
大人の発達障害について解説する広野ゆい代表
冒頭、広野ゆい代表は、いわゆる「発達障害」について、「例えば、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)、LD(限局性学習症)などを抱える人のすべてが『発達障害』になるのではない。これらの症状は、一人ひとりが持つ脳の発達の特性であり、知覚・理解・記憶・推論・問題解決など特定の分野の発達が著しく高い、あるいは低いためにその差が大きくなっているもの。言わば『発達の凸凹(でこぼこ)』というものであって、これに幼少期からの周囲の無理解や否定、失敗などが重なることで『適応障害』を発症することで、『発達障害』と診断される」と提起しました。
また、広野代表はADHD、ASD、LDなどの特性について解説し、「特性に合った支援や理解を得られないことで、愛着の問題やトラウマを抱えて大人になった当事者は、適応障害、睡眠障害、うつ病、強迫性障害などを併発してしまう。聴覚過敏・視覚優位(目や耳からの刺激を取捨選択できず、刺激の強い順に反応してしまう)やもともとストレスがかかっている状態であることに起因する『疲れやすさ』など、それぞれの特性について気持ちや意識の問題でないことを理解する必要がある」と強調しました。
さらに、発達障害の当事者である自身の経験を示しながら、職場における対応として、「多様性を受け入れるという姿勢で、相手の発達特性を理解し、個別対応をしていくことが基本。そのうえで、相手のできないところではなくできるところを生かす『ストレングス視点』を持つことが重要となる」と指摘。加えて、「障害者差別解消法にある『合理的配慮』は『特別扱い』ではなく、当事者が能力を発揮できる環境をつくることと捉えるべき。『配慮』という言葉を『調整』と置き換えるイメージで、当事者の参加を可能にする機会の調整に取り組んでほしい」と示しました。