”実質賃金の引き上げを定着させ、日本経済を成長軌道に乗せる”

 

西尾書記長

本部方針について説明する西尾書記長

 

 UAゼンセンは、 2023・2024闘争で大幅な賃上げを獲得しました。一方、依然として物価上昇が続いており、大手組合と中小組合との間に生じた賃上げに関する格差是正の解消も喫緊の課題となっています。これらの状況をふまえ、UAゼンセンは2025労働条件闘争を実質賃金の上昇を定着させる重要な闘争と位置づけ、全加盟組合の共闘をつうじ、すべての組合員に実質賃金の引き上げを波及させることを目ざしています。

 

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 2025年1月14日、UAゼンセンは、本部(千代田区・市ヶ谷)において、第3回中央執行委員会(昨年12月5日開催)で確認した2025労働条件闘争方針の執行部案、製造産業・流通・総合サービスの各部門の要求方針案に関する記者レクチャーを実施しました(報道関係者等27社39名が出席)。

 

 なお、2025労働条件闘争方針については、本部方針は第13回中央委員会(1月16日、大阪市北区で開催)において、部門方針に関してはその翌日に開催する各部門の評議員会において決定します。

 

 冒頭、西尾多聞書記長は「2023・2024闘争では、大幅な賃上げを獲得した一方で、大手組合と中小労組の賃上げに格差が生じる結果となった。2025闘争では、中小労組を含め、実質賃金の引き上げを定着させ、すべての組合員に波及させる必要がある。そのために、各労組の状況を把握し、個別に労使交渉をサポートしていく。また、加盟組合の労使交渉を後押しするため、賃上げ実現に資する環境整備を目ざした政府・政党・地方自治体に対する要請の実施やより一層の労務費の価格転嫁の実現に取り組む」と提起しました。また、具体的な賃金闘争の要求基準として、「正社員組合員は、賃金体系が維持されている組合は賃金体系維持分に加え4%基準、賃金体系が維持されていない組合は6%基準で賃金を引き上げる。また、短時間(パートタイム)組合員は、制度昇給分に加え、時間額を60円、5%基準で引き上げる。制度昇給分が明確でない場合は、制度昇給分を含めて時間額を80円、7%基準で引き上げる」と示しました。

 

 続いて、製造産業、流通、総合サービス部門の3部門から、下記のとおり、部門ごとの状況とともに各部門の方針案のポイントを共有。その後、出席した報道関係者等との質疑応答を行いました。

 

各部門の状況・方針案のポイント【製造産業部門】
◇大手組合と中小組合の格差是正のため、中小組合の底上げをはかる。
◇労務費等の価格転嫁の状況について第5回目の調査を実施中。
◇中小企業の収益性を高め、賃上げ原資の確保に取り組む。
◇賃金以外では安全で健康的な職場づくりを必須として取り組む。
【流通部門】
◇人手不足を背景とした産業間格差の是正に注力する。
◇中小労組を中心に情報共有やフォローアップを強化し、賃上げの裾野を広げる。
◇短時間組合員について、UAゼンセン結成以来の正社員組合員を上回る賃上げの流れを継続する。
◇労働時間・休日日数に課題があり、引き続き労働時間短縮の取り組みを強化する。
【総合サービス部門】
◇業種ごとに新型コロナ感染拡大からの回復度合いに違いがある。
◇社会水準に追い着くため、賃金闘争において本部方針から1%上積み要求を行う。
◇賃金以外の労働条件については、業種の特性に応じたそれぞれの課題を克服する要求とする。

 

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