2026年8月18日、UAゼンセン総合サービス部門とヘルスケア労協は、医療・介護現場におけるカスタマーハラスメント(カスハラ)対策をテーマに、厚生労働省との実務担当者による意見交換会を開催しました。
意見交換会では、2024年にUAゼンセンとヘルスケア労協が共同で作成した「医療現場におけるカスタマーハラスメント事例集」やアンケート調査結果をもとに、医療・介護従事者が安心して働き続けられる環境づくりに向けて、現場が抱える課題や今後必要となる対策について幅広く意見交換を行いました。
●病院内で深刻化するカスタマーハラスメント
患者やその家族による暴言、威圧的な言動、長時間に及ぶクレーム対応、不当な要求など、医療機関内で発生しているカスタマーハラスメントの実態が報告されました。
アンケート調査や事例集からも、職員が精神的な負担を抱えながら対応している現状が共有されました。また、対応に時間や労力が割かれることで本来の医療サービスへの影響が懸念されるほか、医療従事者が使命感から被害を我慢し、問題が表面化しにくいことも課題として挙げられました。
●職員を守るためには組織としての対応が不可欠
意見交換では、女性職員や若年層の職員がハラスメントの対象となるケースについても議論されました。
個人の対応能力に頼るのではなく、組織として職員を守る体制づくりが重要であるとの認識が共有され、「管理者の意識改革」や「問題発生時に現場任せにしない体制整備」の必要性が確認されました。
●人手不足と安全確保の課題
医療分野では慢性的な人手不足が続いており、複数人体制による対応の必要性が認識される一方で、十分な人員を確保できない現場も少なくありません。
また、訪問診療や訪問看護、訪問介護では職員が単独で対応する場面もあり、安全確保の難しさが指摘されました。出席者からは、人員配置の充実と安心して働ける環境整備の重要性について要望が出されました。
●ハラスメントの抑止に向けた新たな取り組み
カスハラの予防・抑止策についても議論が行われ、電話応対時の録音アナウンスやボディカメラなど記録機器の活用が抑止効果につながるのではないかとの意見が出されました。
一方で、導入コストや運用方法、個人情報保護などの課題もあり、今後の検討が必要との認識が共有されました。また、実効性のある対策を進めるため、国による支援や制度面での後押しを求める声も上がりました。
●安心して働ける職場環境の実現に向けて
意見交換のまとめとして、医療・介護分野における人材確保・定着には、賃金改善とともに働きやすい労働環境の整備が不可欠であり、その中でもカスタマーハラスメント対策が重要な課題であることを改めて確認しました。
出席者からは、「職員が安心して働ける環境づくりなくして人手不足の解消は難しい」「現場で活用できる実効性の高いマニュアルや対策が必要」といった意見が出されました。
総合サービス部門では、今回の意見交換で寄せられた現場の声を踏まえ、医療従事者が安心して働くことができる環境整備とカスタマーハラスメント対策の推進に向け、引き続き取り組みを進めていきます。