”総合スーパーで働く労働者全体の賃上げを”「特定最低賃金」創設の申し出
厚生労働省を訪問。野澤賃金課長に要請書を手交した
UAゼンセンは、産業別労働組合の使命として、企業を超えた公正労働基準の確立を目ざして、「特定最低賃金」の設定に取り組んでいます。2026年9月7日には、厚生労働大臣に対して、都道府県を超えるエリア別特定最低賃金新設の決定について申し出を行いました。また、10月27日に開催した2027労働条件闘争方針素案に関する事前説明会(記者発表)と合わせて、今回の特定最低賃金に関する申し出について出席した報道関係者らに詳細を共有しました。
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現在、わが国には、すべての労働者の賃金の最低限を保障するセーフティネットとしての「地域別最低賃金」と、関係労使のイニシアティブにもとづき、産業または職業ごとに適用され、地域別最低賃金に上乗せを行う「特定最低賃金」の二種類の最低賃金があります。このうち、「特定最低賃金」は労使の取り組みを補完するものであり、新設・改正・廃止の要件等については、中央最低賃金審議会における労使の話し合いのもと、両者の合意にもとづいて定められます。
9月7日、UAゼンセンの松井健副書記長代行・労働条件局長(当時/現・副会長)は、連合(日本労働組合総連合会)の仁平章副事務局長らと厚生労働省を訪問し、労働基準局の野澤めぐみ賃金課長に要請書を手交。鳥取・島根エリア(鳥取県、島根県全域)、岡山・広島・山口エリア(岡山県、広島県、山口県全域)、四国エリア(徳島県、香川県、愛媛県、高知県全域)、九州北部エリア(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県全域)、九州南部エリア(宮崎県、鹿児島県全域)の5つのエリアを示し、「総合スーパーをはじめ、流通・小売りの業種では、パートタイマーが基幹的な働き方をしており、人材確保の観点からも特定最低賃金の設定による労働者全体の賃上げが必要」と提起しました。
また、松井副書記長代行は、「人口減少社会のなかで、流通・小売業種をこれまでの労働集約型の産業から、より高度な産業に変わっていくという意味でも、特定最低賃金の設定は有効と考えている。このような考えに加えて、総合スーパーはブロックごとに店舗を展開している傾向があり、地域別最低賃金における地域差の影響を受けやすい。現場からは、『同じ仕事をしているのに、県境をまたぐと賃金に差がある』という声がある。このような現場の実態を改善していくために、今回は5つのエリアについてエリア別の特定最低賃金について申し出を行う」と強調しました。
持続的・構造的な賃上げ実現へ向けた社会システムの構築を
報道関係者らに特定最低賃金の申し出について報告する松井副会長
10月27日の記者発表には、報道関係者ら20社41名が出席。松井副会長が特定最低賃金の申し出について報告を行いました。松井副会長は、9月7日の申し出の内容にふれ、「総合スーパー業種で、企業内最低賃金の水準等をふまえ、5つのエリアで特定最低賃金の設定について申し出を行った。およそ5万名が対象となると見込んでいる」と示しました。また、「UAゼンセンは、労働条件闘争方針に記載しているとおり、持続的・構造的な賃上げを実現する社会システムを目ざしており、この特定最低賃金の設定もその一端と考えている。今後も他の業種においても、取り組みを展開していきたい」と語りました。
なお、特定最低賃金の設定に当たっては、「労働協約ケース」(=関係労使の間で同種の「基幹的労働者」の相当数(原則1000名以上)に適用される賃金の最低額に関する合意(労働協約)がある場合)と「公正競争ケース」(=事業の公正競争を確保する観点から、同種の基幹的労働者について、最低賃金を設定することが必要である場合)の二種類があり、今回のUAゼンセンの申し出は前者(労働協約ケース)となっています。
UAゼンセンは引き続き、今後の中央最低賃金審議会での議論に対応し、特定最低賃金の新設に取り組んでいきます。