”働く女性の健康課題解消で、だれもが働きやすい職場環境を”
Webをつうじ、挨拶を行った田村議員
2023年7月14日、UAゼンセン多様性協働局は「女性の健康と働き方セミナー」を開催しました。本セミナーには、Zoomをつうじ、全国各地の加盟組合から102名(うち、短時間組合員17名)が出席しました。
冒頭、国会において「働く女性の健康課題」に取り組む田村まみ組織内参議院議員が挨拶を行いました。田村議員は「現在、現行の健康を整えていくための制度に関し、”性差”に注目したうえでの対策がなされているかを確認しているほか、労働災害における女性特有の課題などに取り組んでいます。実際に現場で働く皆さんの声を政策・制度に生かしていきたいので、これからもぜひ一緒に活動していきましょう」と呼びかけました。
その後、株式会社nanoniの張聖代表取締役を講師に、「女性の健康支援で企業が変わる?職場で実践する女性エンパワーメント」と題した講演を実施。最初に、張代表は女性のライフステージにおける「生理」や「妊娠」「更年期」などのさまざまな課題を解決できる製品やサービスの総称として「Femtech」(=FemaleとTechnologyを合わせた造語)の考え方を紹介しました。そのうえで、「今後、多様な人材が活躍していくためには、女性の健康支援など各人の事情に応じた『公平なサポート』が必要となる」と提起しました。続いて、張代表は、生理や更年期障害などに際し、具体的に女性の身体や精神に生じる変化などを解説。最後に、生産年齢人口の減少など環境要因をふまえ、より一層女性活躍推進が求められていることを示し、「働く女性の健康課題を解消していくことは、離職防止や生産性向上などにつながる。大切なのはできることを見つけて取り組みを始めること」と締めくくりました。
”労働運動をつうじて女性の健康支援を実現する”
連合東京の取り組みについて講演を行う斉藤事務局長
次に、労働組合による女性活躍の取り組み紹介として、連合東京の斉藤千秋事務局長が「女性がいきいきと働き続けるために~連合東京の取り組み紹介~」と題した講演を行いました。
斉藤事務局長は自身のキャリアにふれながら、連合東京として取り組んでいる「生理の貧困」に関する要請や「生理休暇と更年期障害のアンケート」の実施などを取り上げました。とくに、「生理休暇と更年期障害のアンケート」では、9割近くが「生理痛がある」と回答した一方で、対処方法として「生理休暇」の取得は6.2%と極めて少なかったことを示し、「生理休暇は、労働基準法に定められた権利だが、職場には『生理』を理由に休めない雰囲気がある。大変な日に休暇取得ができる環境を、運動としてつくり出していく必要がある」と訴えました。また、更年期障害に関しても、同アンケートでは74.1%が「症状がある」と回答したが、対処方法は「なにもしない」が半数を占めている点を指摘。「更年期障害は男女ともに発生するが、女性が長く働くようになるにつれて社会問題化してきた。社会的に正しい認識を普及させ、必要に応じて休暇取得ができるようにすることが重要」と提起しました。
最後に、斉藤事務局長は同アンケートをもとに連合東京で作成した『生き活きハンドブック』を紹介。そのうえで、「女性の健康に関する課題の解消へ向けては、まだまだ運動が必要。働くこと、職場で活躍することをはじめ、少子化対策などの観点もふまえながら、今後も運動を展開していきたい」と締めくくりました。
加えて、今回のセミナーでは、加盟組合からイオンリテールワーカーズユニオンと全ユニー労働組合がそれぞれ事例共有を実施。さらに、4名程度のグループに分かれ、「職場における女性の健康支援の取り組み」に関する意見交換も行いました。
資料および録画視聴に関するお知らせ
下記の期間に限り、本セミナーにおける張聖講師の担当部分をご覧いただけます。当日配布資料についても、下記URLよりダウンロードが可能です(視聴、資料ダウンロードはともに加盟組合に限る)。
1.期 間 2023年8月8日(火)~2023年9月7日(木)
2.掲載場所 YouTube「UAゼンセンちゃんねる」URL:https://youtu.be/A4kk6dDpS7A
3.内 容 「女性の健康支援で企業が変わる?職場で実践する女性エンパワーメント」
株式会社nanoni 代表取締役 張 聖 様
資料 UAゼンセンメンバーズ→本部→活動情報データ→多様性協働→キャンペーン
https://members.uazensen.jp/visitor/honbu/index.cgi?i=2&j=59&id=1688518184