2022年5月11日、田村まみ議員はカスタマーハラスメント対策について、消費者問題に関する特別委員会で質疑を行いました。

 田村議員は冒頭、消費者庁が全国の消費生活センター、相談窓口等における「対応困難者」(=ていねいな説明をくり返しているにも関わらず、社会通念から逸脱する主張・要求を止めようとしない相談者)への対策として、『対応困難者への相談対応標準マニュアル』を策定・公開したことに言及。策定の趣旨や各自治体での利用状況、活用へ向けた情報発信について質すとともに、「マニュアル策定は対症療法に過ぎず、実際に対応困難者の行動を変容させるには至っていない」と指摘しました。

 

 その後、コロナ禍で小売りや介護といったいわゆる「エッセンシャルワーカー」へカスタマーハラスメントが深刻化している点にふれ、本年2月に公開された厚生労働省『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』について、策定に当たり省庁連携会議に参画していた消費者庁として、どのように周知に努めるのかを質しました。これに対し、片岡進審議官は「すでに7省庁連名で啓発ポスターなども作成している。今後も各省庁と連携しながら、情報発信をしていきたい」と答弁しました。重ねて田村議員は、「経営者のなかにはいまだに『お客さまは神さま』という意識がある者もいる。周りの消費者の利益にもなり、企業活動の改善にもつながるという点も併せて周知してほしい」旨を要請しました。

 

 さらに、消費者教育の観点から、消費者庁が作成・公開している「消費者が意見を伝えるポイント」について、「消費者教育のポータルサイトに掲載し、周知すべき」旨を求めました。これに対し、片岡審議官は「掲載を検討する」旨を答弁しました。答弁を受けて、田村議員は「消費者教育推進法や基本的な方針の見直しのなかで、具体的に『カスタマーハラスメント』を盛り込むことを検討してほしい」と訴えました。この訴えについて、若宮健嗣特命担当大臣は「検討していきたい」旨を回答しました。

上は田村まみ議員による質疑の様子。下は答弁する若宮大臣
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